居場所
webで知り合った人間がいた。
彼らは、あるいは彼女達は、実に快く俺を受け入れてくれるが、芯の底から信用できない蟠りを感じていた。それは俺の不徳が大いに影響しており、他人を信じぬくせに利用しようとする矮小な精神が他者を疑惑の目で観てしまうのである。
今ではほとんど付き合いがない。皆、各々の生活を、人生を歩んでおり、俺が入る隙間などないのだ。
俺も、彼ら彼女らも、傷の舐め合いを、新しい、簡単な関係を望んでいた。
互いの会話など記憶にない。ただ、話をしたと事実だけが頭にこびりつく。しかし、その事実こそが慰めになるなど誰が想像できようか。
君達と過ごした日々は楽しく、面白かった。
だが、思い出の片隅に、消えてしまうのもまた事実なのだ。
一人過去を思う。
前へ進めないのは、俺一人。
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