金曜日になると憎しみが増す。

 推薦される作品群に俺の書いた小説はない。列挙されるタイトルはいかにもweb小説といった風で、なるほど、俺は場違いだなと痛感させられる。


 要因を探る。

 それは単に退屈だからという事も考えられるし、もしかしたら文が拙いのかもしれない。事実、目を通す度に幾つもの箇所を修正している。俺の書いたものは、人に読ませるレベルではないのかも知れない。


 だが、それでも俺は面白いと思っているし、推められて当然だと思っている。自分の作品は読まれるべきだと、哀れにも考えてしまう。


 理想と乖離した現実はいつも自己への嫌悪と憐憫を呼ぶ。不健全極まりない、矮小な願望が俺を苦しめる。


 薄志弱行でとうてい行先の望みがないから自殺する。


 その一文が頭から離れない。


 死ねれば楽になるのに。救われない生を終わらせられるのに。


 死を考える。幕引きを考える。しかし、その時は未だこない。このまま願い叶わず生き、無様に、惨めに、貧乏たらしく地を這いながら苦しんでいくとのだと思うと、心が震え、身体が固まる。俺は何もできない。何もできない。何もできはしない。生きる事も、死ぬ事も。


 突発的な、具発的な、世で不幸といわれるようなでき事により死ぬのが、きっと俺にとっての幸せだと思う。自分の死でさえ、あるいは生でさえ、自分の思うままにいかない。


 薄志弱行でとうてい行先の望みがないから自殺する。


 その一文が、頭から離れない。

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