死ねたら
また休日が過ぎていく。
別段何をしたいわけでもないが憂鬱だ。明日を迎えればまた仕事。のべつ幕なしに働かなければならない。
先週は昼食も取れない日もあった。空腹はなんとなく自分を惨めにさせる。仕事がまともなら、金がもっと入るならば気の持ちようもまた違うのだろうが、低賃金のどぶさらいみたいな業務ではそれも叶わない。ひたすらに使われて、不安と不満を積み重ねるだけだ。
世は疫病の蔓延でこぞって騒いでいる。馬鹿な話だ。金がなくて死んでいく人間の方がずっと多く、ずっと哀れだというのに。
今日は何人感染し、何人死んだ。
そんな報道を目にすると不謹慎な想いが湧き上がり、弱者の矮小な精神が卑屈を拗らせる。明日は我が身かもしれないというのに。
眠る前に考える。ベッドで眠れる自分は、飢えぬ自分はまだ幸せで、悲観する資格などないのではないかと。
しかしこの悲嘆は事実なのだ。俺の心に救う暗闇は確かにあるのだ。金のない将来に絶望するしかないのだ。何もない自分を直視できないのだ。
いっそ自分が病で死ねればと思う。
毎日が辛い。苦しい。
未来が怖い。恐ろしい。
死ねばいいのに。死ねば。
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