第2話
※三鷹視点
はーい、こんにちわ。私は
進学校のおかげか、雰囲気も落ちついている。お互い干渉しすぎない特有の空気で、いじめなんてもっての他のいい学校だった。
異変なのか、波乱なのかとにかく一大事が起きた。
二年になって転校生が来た。
これが異変の始まり。
そして、たった2ヶ月で、転校生とある人とお付き合いがスタートした。
小鳥遊 揺士と。
はっきり言って相手が悪い、悪すぎた。誰も手を出したくても出せない、人だったから。
その原因は幼馴染の羽取 美結。
私の親友。
そして、学年のスクールカーストの頂点。
美結が揺士のことを好きなのは学年の全体の公然の秘密みたいなもの。
登下校も一緒にして、それも部活のない揺士くんがバドミントン部に入っている美結を待っていてあげるし、休み時間もよく2人の世界を作っていた。
2人は2人も付き合っていないと断言はしていたけれど、陰でオシドリ夫婦と、揶揄される程度には仲良しだった・・・はずなのに。
転校生が全てを壊していった。
この学校に最初からいた人なら絶対にできないこと。
女子の世界は複雑。
特に男女関係。誰それが誰かを好きと言ったら、もうその人には手を出さない。これはスクールカースト関係なく、大体不可侵条約が結ばれている。
もう揺士くんは美結が宣言をしていた。転校生してばっかりで知らなかったとかは通用しない。
転校生は元々ボッチなのが加速していくだろう。転校生に美結はよく話しかけていた。優しい女なのだ。なのに、恩を仇で返すようなマネをする。
きっと見るからに分かるいじめとかは起きないだろう。無駄に頭は良いから。
けれど、疎まれ陰口が生まれる。それは美結にも止めらない。
揺士くんと別れた後、自分の想い人を盗られたくないから、今のうちに評判を落としたいから。
美結は諦めないだろな、揺士くんのこと。あんなにまでしてたのに、付き合ってくれないならやめればいいのに。
今の構図だけ見れば、悪女は美結になる。
けど、私は転校生が悪女に見えるよ。
普通分かるじゃんね。
揺士と美結。お似合いで2人の世界は温かかった。幸せホルモンが外にまで溢れでてきいているようだった。今は発酵している時間だったの、寝かして、寝かして発酵しきったら未来永劫おいしくなれるはずだった。
いや、もしかしたらこれが発酵も最終段階なのかも。
私はそうだって信じるし、2人を推していた人だっていっぱいいたのに。
なんで壊しちゃうかな、転校生。あの2人なら世界も許していたのに。
1発逆転のラブコメなんて許さないよ。そんなご都合主義に何年も何十年も、太陽の光を浴びて育った種は負けないから。
種は咲くよ。
けど私は美結の親友。
だから、私は傍観者になるよ。
ずっと傍で見てるから。美結が幸せになれるまで。
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