第3話
※美結視点
転校生の立ち位置を再ぶ見失ったクラスは異質を含みながらも平穏は表面上保っていた。
「三鷹、三鷹っ。アプローチってどうすればいいの?」
揺士以外に興味は毛ほども湧くことはなかった美結は異性へのアプローチをする必要性が生じたのは人生で初めてだった。
なにせ、好きな異性とはすでに空いている隙間などないはずだったから。
「押し倒せばいい。家が隣の幼馴染。家族ぐるみで仲がよくて既成事実ができれば揺士くんだって別れられないでしょ」
しれっと言い切った三鷹。スマホから目を離すことなどなく自然の摂理で当然であるように言ってくる。
その手の話に免疫はない。拒否反応で言葉すら出なかった。
けど、ありかも。どうせ揺士以外に純潔を捧げるつもりはないし、幼馴染で家の鍵だってほぼフリーパス。そして・・・押し倒せば完了。階段をいくつか踏み飛ばしてもあっちが先に飛ばしてる。
「なんて嘘よ。まず、敵を知ってみれば?転校生のことを。それに私だって略奪の仕方なんて知らないから。頼りになるとか思わないでね」
強めに睨まれた。略奪の仕方を知ってるなんて碌な女じゃないのは確かだわ。
転校生についてか・・・名前は
新学期と同時に転校してきて、転校理由は知らないな。人の男を取るぐらいだから、いじめとか?あとは、親の事情とかぐらいしか思いつかないけど。
友達は少なめ、揺士のところに休み時間ごとに行くぐらいだし。というかいる?レベル。男友達も女友達も。
印象は大人しいイメージだったけど、今まともに見れる気がしないわ。どうしても色眼鏡がかかっちゃう。
あと、揺士と話す前は本をよく読んでたかな?
頭が良いのかは知らないけど、もう少しでテストがあるから分かるでしょ、確か、運動はかなりできてた。陸上部の子が体力テストの後に誘っていたし。
手と首を振って断っていた。そのままどこにも入らずに、揺士と同じ帰宅部だ。
結局、よく分からなくない?
一番大切な性格は大人しいぐらい。だからこそ、略奪されるなんて思ってなかったし、揺士と話してる姿だって見てないし。
謎が深まっただけじゃない!
揺士に凸って全部事の経緯足るものを吐かせようかしら。首根っこ掴んでぐらぐら揺らせばすぐ吐くでしょ。根性なしだし、我慢できないし、カスだもんね。
なんて、そんなことできやしない。
私の告白も青春の出番は来なそうだ。準備はしてたんだけどな。先にする事があったみたいだから待っててくれればいい。
それに、戦う準備はできた。
やっぱり、恋に障害は付きものだから!
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