第48話「修の優しい日記」※第41話〜第47話までのあらすじ(読み飛ばした人向け)

 ★前書き★


 今話はシリアス展開が苦手で読み飛ばした人向けのお話になります。

 そのため、セリフや一部描写は優しく改変されています。


 柔らかめに表現してますので、安心してお読みいただけるかと思います。


 —————————————————


 フェスでは超人気アニメの先行上映会がやってるみたい。

 ひまりとあとで映画を観ようと約束した。


 僕とひまりは珠紀さんの屋台でパンケーキを貰った。

 光希みつき……お姉ちゃんが列管理のプラカードを持ってたときはビックリした。


 湖の見えるテーブルでパンケーキを食べ終えたとき、男の子たちの会話が聞こえてきた。


「花菱さんって、あのエッチな花菱さんのこと?」


 ひまりはその会話を聞き、逃げ出してしまった。

 それからずっと、僕はひまりを待ち続けた。


 約束していた映画の最終上映が終わりを迎えようとした頃、泣きはらしたひまりが戻ってくる。


 ひまりは「逃げたくなかった」と言っている。


 きっと過去になにかあったんだろう。

 僕はひまりにこの言葉を送った。


「僕は針千本飲まないよ?」


 保健室で交わしたあの約束。

 僕はどんなことがあったって、ひまりのことは絶対に嫌いにならない。


 ひまりが話し始めようとしたとき、男の子がやってきた。


 ひまりの様子がおかしい。


 その男の子は自分のことを「ひまりとエッチしたことがあるお友達だよ」って言いながら“ひまりとエッチしてる動画”を見せてきた。


 でも、その動画は何かおかしい。

 違和感がある。


 僕は男の子に問いかけた。


「その動画って……ホンモノ?」


 男の子は嘘がバレて観念したのか、その動画は作られたニセモノだったと白状した。


 僕は詳しい経緯を知らないけど、ひまりはその動画がホンモノだと勘違いしてたみたい。


 実際には男の子とエッチなことなんて一切してなかった。


 そのことでひまりはずっと苦しんでたみたい。


 僕が男の子に文句を言ったら、イライラした男の子は僕のことをぽかぽか叩いてきた。


 ひまりは僕のことが心配で、泣き出してしまう。

 男の子にやり返さない僕に対してひまりはこう言った。


「ちゃんと自分のことも護って」


 僕は男の子のお葬式をあげるのが怖いんだ。


 だから僕はひまりにお願いした。


「僕のこと、とめてくれる? 僕のそばに、いてくれる?」


 ひまりがそれを了解してくれたから、僕は男の子にぽかぽかやり返した。


 ひまりがとめてくれて、気がついたら男の子は鼻血ブーしてた。


 ちょっとやり過ぎちゃった……。


 男の子のお父さんがやってきた。

 そのお父さんはこのフェスの協賛企業、映画会社の社長さんだった。


 僕は社長さんに名前を聞かれたから答えると、突然土下座をし始めた。


 なんで土下座してきたのか、意味が分からなかった。


 社長さんは「息子が迷惑をかけてごめんなさい。何でも言うことを聞くから、このことは誰にも言わないで」とお願いしてきた。


 だから僕は、ひまりと約束したけど観れなかった映画を観させて欲しいとお願いすると、快く了承してくれた。


 大きな会場、大きなスクリーンの前には僕とひまりの二人きり。

 お詫びに用意してくれた山盛りのスイーツに、ひまりは映画そっちのけで夢中になってた。


 とってもとっても、幸せそうだ。

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