ひとりごと パンクする
自転車を、パンクさせたことがある。道ばたに割れたガラス瓶が落ちていて、そのかけらが刺さってしまったのだ。その自転車は美咲から借りたものだったので、私はなんとか自分のミスを帳消しにできないかと、無意識にタイヤに手を伸ばした。
前輪のチューブに突き立ったかけらに触ると、痛みを感じた。そのときぱっくりと割れてしまった右の中指の傷は、いまだに幻肢痛じみてシクシクと痛む。しかし、それよりも恐ろしかったのは、かけらを踏んだその瞬間の出来事だ。空気を入れるところかなにかが引っかかるのだろうか、パンクした自転車はがたがたと暴れた。そのとき私の自転車は、足を取られてもう少しでトラックにひかれるとこだった。
だからね、本当は私、そこでゲームオーバーのはずだったの。
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