告白
「カナト朝だよ」
体を揺すられ目を覚ますとレイラが着替えを済ませて朝ごはんを食べていた。
「ん・・・ねむい・・・」
「今日は寝てる?」
「いや・・・おきる」
ぼーっとする頭を振り、顔を洗いに行く。
「今日ってなんか予定あるの?」
「いや今のところは何もないかな?カナトは?」
「んー・・・どうしようかな・・・図書館かな?」
「調べ物?何調べるの?」
「この世界のこと・・・とか?」
「国とかってこと?」
「そうそう。ここはなんて言う街でどこの国でどの大陸でとか」
「それならここはルーデニル大陸のレシュー王国。大陸の右上の端っこよ。で、ここはレシュー王国の王都ベネン」
「ありがとう。知りたいことがわかった」
「図書館に行かなくても多少は教えてあげられると思うよ?」
コーヒーを啜りながらレイラが胸を張っている。
「じゃあちょっと勉強に付き合ってもらおうかな?」
カナトはノートとペンを取り出してテーブルに置いた。
「まずは地図かな?ざっくりでいいからこの世界の地図書ける?」
「えーと・・・こんな感じね。大陸が3つあってルーデニル大陸がこれ。その左隣がビリーガ大陸。その上がミューレ大陸ね」
「ルーデニルが1番大きいのか」
「そう。で、レシュー王国がここ。大陸の右上の端から海に沿って下に・・・右が海、左が山脈ね」
「海と山脈に挟まれた縦長の国って感じか」
「そうそう。あとは各地に諸島なんかもあるよ。で、山を越すとキーリッヒ帝国がこんな感じで・・・その左側が縦からラディア王国、レイス王国、クレナンス王国、キャレル王国。でキャレル王国の隣にバルモア王国があってその上がマルス帝国」
「ふむふむ・・・とりあえずシューレ大陸とビリーガ大陸の詳しい国は置いとくとして・・・有名なとこだけ教えてくれる?」
「シューレ大陸ならここね。大陸の半分を統べるネルカニア大帝国。ビリーガ大陸ならここかな?シュレルフィー王国」
「ふむふむ・・・ちなみに何処がどの種族が多いとかあるの?」
「うーん・・・割とルーデニル大陸は人種関係ないかな?人族、ドワーフ、エルフ、ドリアード、龍人、魔人、その他色々よ。人間の王国でもエルフの王女とかいるしね」
「なるほど・・・あとは勢力で大きいのって何がある?例えば宗教とか組織とかギルドとか」
「宗教ならイクシアナ教が世界的に1番大きいわ。次がテレーゼ教。他にもあるけどね。あとギルドなら冒険者ギルドと商業ギルドは世界規模ね。他のギルドはまだ国の息がかかってて足並みがバラバラな感じ」
「ちなみに・・・レイラはAランク冒険者って言ってたけど・・・強い人ってどれくらい強いの?」
「冒険者なら最高がSSSランクだけど・・・そうねぇ・・・一般的にSSSランク冒険者のレベルは1,000を超える人もいるみたい。強さで言うと1万の軍隊を相手にできるレベルね」
「・・・レイラはどれくらい?」
「私?私はは266よ!どう?凄いでしょ!」
ぷるんっと大きな胸を張るレイラ。なるほど・・・という事はレベルだけで考えればおれはSSSランクと遜色ない・・・というかかなり上になるわけか。
「凄いな。で、SSSランクって何人くらいいるの?」
「なんか・・・全然凄いって思われないよね?むぅ・・・一応Sランク以上のソロ冒険者は世界でも500人くらいSSSだと20人いるかどうかみたいだよ?」
「結構少ないな」
「そりゃ少ないよ!ちなみにSSSランククランだと世界でも5つだけみたい」
「クランって人数の多い冒険者の集まりだよね」
「そんな感じよ」
「なるほど。今度はアイテムとか魔法について教えてくれる?」
こうして色々聞いた結果、アイテムのレアリティは全部で10段階。カルマランク8のカナトはほぼこの最高レアリティ10のアイテムを交換できる。話を聞く限りだが、未だに交換出来ないものはそれ以上のレアリティで、使用すれば国1つを消し飛ばすようなアイテム、現在から過去に転移するアイテム等も存在する。それらは恐らく認識すらされていないのだろう。
また、魔法も同様で全部で魔法には10位階存在しているらしい。生活魔法である1位階。一般の魔術師と言われる2~4位階。天才と呼ばれる5位階。賢者と呼ばれる6位階。大賢者と呼ばれる7位階。精霊やエンシェントドラゴンが使う超高等魔術が8位階。神が使ったとされる奇跡、神代魔法の9位階。世界を作ったとされる創世魔法の10位階。アイテム同様カナトの交換リストにはこれより上もある。ちなみにカナトのスキル極がそれに当たる。
「カナトって頭いいね。なんか不思議」
「ん?」
「なんか・・・普通の人とは違う気がする」
そう言ってじっと見つめるレイラ。しばらく見つめ合い、そっと視線を外すカナト。
「そのうち・・・言うよ」
「・・・やっぱり何かあるのね?」
「ある。けどな・・・今言ってもいいけどあまり他の人に知られるのもどうかなって話だから」
「あら、私のこと信用してくれないの?」
「そういう訳じゃない。信じるのかも疑問だからさ」
そう言ってカナトはノートをパタンと閉じた。
「言ってみて?全部信じるから」
それは茶化す感じでも無く、真剣に受け止めようとする色が瞳には見えた。
「おれさ」
「うん」
「この世界の人間じゃないって言ったら信じる?」
「え?」
それはレイラにとって耳を疑う告白だった。
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