第47話 047
「ちょ、、まっ、、、まってまってまってっ」
「待たない」
「おねがいやめてっ、、、」
「むり」
「むりじゃないむりじゃない!! ストップ!!!」
「だーめーでーすー」
「っ、、、あーーーー、マジ無理! ストップ! 動かないでっっ!!!」
「お前はチェリーの中坊か! うるさい!」
「黙れドS女! 勝手に挿れるな!」
テレビもライトも点けっ放しのリビングのラグの上で、明里は俺に
「マジでちょっと待って。ホント、溜まりすぎててすぐ出る。ってゆーか、おっぱいくらい触らせて」
「溜まりすぎてるとなかなか出ないって前言ってなかったっけ? 出し過ぎて我慢効かないの間違いじゃないの?」
「もー、揚げ足とるのやめてホント。中途半端に溜まってるからヤバいんだって! おねがい動かないで!」
スラックスは片脚突っ込んだままだし、せめて靴下くらい脱がせて欲しい。
ってゆーか、少しくらいイチャイチャさせて欲しい。
久しぶりなのに、全然ムードとか、無いじゃねーか。
「相変わらず、風俗童貞なの?」
完全に主導権を握った余裕で、明里が俺を覗き込む。
「あ、た、り、ま、え。セックスに金掛けるなんてスロットより無駄」
「ふーん。じゃあ、素人で時々ヌいてたの?」
現役時代よりだいぶ緩んだ腹筋を、明里の細い指が撫でる。
「アホか。そんな暇ねーし」
「どーだか」
「ねえ、ホントちょっと待って」
明里の腰を手で押さえて、その目を睨み返した。
明里が息を飲むのが分かる。
やっと俺のターンが来た。
「キスして」
手を伸ばして、揺れる髪に触れる。
覗き込むように、その目に促すと、明里は素直に唇を重ねた。
キスをすれば分かる。
俺の持論は絶対に間違ってない。
どんなに強がって見せても、
どんなにはしゃいで見せても、
届いてくるものは嘘を吐かない。
油断した
繋がったところはそのままに、丁寧にマウントを取る。
「誰がチェリーの中坊だって?」
細い手首を片手で纏め上げて、悔しそうな目を覗き込む。
「ぅるさい」
目を逸らす明里の首筋に、少し強引に歯を押し当てた。
「っ、、、」
息を飲んで鳴る喉が、今度は俺の加虐欲求に火を付ける。
「お前こそ、そんな欲しかったの?」
「あんたほどじゃない」
「よくゆーよ。何もしなくても全部入っちゃったのに?」
わざとゆっくり、明里から服を奪いながら耳元に囁く。
「どっちが先に寝落ちるか、勝負な?」
「は? 絶対あんただし」
「いやいや、俺のが若いからね?」
「2歳くらいで若いとか言うなし」
「何賭ける?」
お返しと言わんばかりに俺のワイシャツのボタンに指を掛けながら、
「わたしが勝ったら、あんたのアパートに攻め込んでやる」
明里がニヤリと笑った。
「そんなんでいーの?」
人生、過去最高にとぼけて聞き返す。
「そんなんが、いーの。風呂の排水溝までチェックしてやる」
「何探す気だよ。こえーなぁ」
「んー。。。長い髪の毛、とか?」
「何も出ねーし」
「どーかなー? 楽しみだねぇ」
いやいや、明里サン。
そんな賭けをしちゃったら、僕は死んでも寝落ちできないんですよ。
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