第23話 023

空になったカップラーメンの容器をシンクに置いて、控え目にため息を吐く。


何やってんだ。俺。


容器から溢れた水が、シンクの排水溝に吸い込まれていく。


ゆかりは、歯磨きをしながら、鼻歌を歌っていた。


俺も、コップに挿してあった歯ブラシを取って、歯磨き粉を付けて口に突っ込む。


たった3日。


たった3日で、たった3日なのに。

ゆかりがそこに居ることに、違和感が無くなっている。



口を漱いで、壁の時計を見ると、午前2時を少し過ぎていた。


あと4時間。


眠れるだろうか?

と、いうより、

起きられるだろうか?


そんな不安を持ったまま、ソファーを整える。


「カズキ?」


俺に少し遅れて、歯ブラシを洗ったゆかりが、俺のパーカーの裾を引いた。


反射的に、身体が固まる。


言葉が出ない。


「今日もソファーで寝るの?」

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