第7話 007

植原和樹うえはらかずき

平成元年1月31日生まれ、31歳。


中学からずっとラグビー部。

大した学歴にもならない大学を出て、大したことある大手の生命保険会社に就職して、最初に配属された支社の事務だった妻と結婚して、彼女はそのままその地にいる。

俺は、出世街道の管理職コース。2年から3年スパンで転勤を繰り返して、今は首都圏の支部で24人の営業員を纏めている。


そんなに大きなオフィスではないものの、俺が転属してからここ2年は、首都圏でも一桁順位を守っているし、今のところ先行きは明るい。


自慢するわけじゃないけど。

そこそこ、顔もいい方だし。

身長も178センチだから、そこそこ高い方だし。

ラグビーで鍛えていた身体は、今は年齢をカバーするだけの体格の良さとして役に立ってる。

この仕事、年齢は上に見られてナンボだ。


末っ子長男の愛嬌で、営業員からも可愛がられてきた。

年上の新人の扱いも上手い方だと思っているし、もちろん、上司にも煙たがれないギリギリで主張するスキルも、ないわけじゃない。


文字に出来る部分でなら、俺ほど、上手くやってる奴、は、そう多くないだろう。




そう。


上手くやってる。


同期の誰よりも。


上手く生きている。



いや、


生きてきたし、生きていく。


これまでも、





これからも。






そう。




明日からも。

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