第34話 私の中の私。
私のことを知っている人は、いったいどれくらいいるのだろうか。
友達と呼ばれるものは相手からはあっても、私からそう思ったことはほとんどない。
知り合い、仲良くしている人、友達、親友、と、私の中では別れている。
親友は望美。
施設での仲間は全員友達。
学校では
「私たち、友達!」
って言ってくれる子はたくさんいたし、私も仲良くしたいとは思った。
ただ、私はどこまでを許していいものか、素直さを開放できることがなかなかできずにいた。
小学生の低学年まではそんなこと考えたこともない。
高学年くらいから、何故か線引きが自分で厳しくなってきた。
人付き合いはうまくはないけれど、あまり、嫌われるほどの性格でもなさそうだ。
自分の中でも、時々自分がわからなくなる。
本当の自分はどの自分なんだろう。
仲間と楽しくわいわいご飯を囲んでいた時の自分は本当の自分なんだろうか。
中学に入った時にバレンタインに友チョコを渡しあっていた私は本当の自分なのだろうか。
今もお母さんやお父さんに会いたいと思う自分は本当のじぶんなのだろうか。
お母さんやお父さんを認めたくないと思う自分は本当なのだろうか。
いつも思う、自分の中にはもう一人の自分がいるのかなと・・・。
それをどう解釈し、整理したか、時間もかかったけれど、それは、喜怒哀楽にもさゆうされ、主観や客観にもさゆうされることと。
人格が複数ではなく、一人の人間がいろんな環境下で感情をコロコロ変えている。
それが私の答えだ。
本当の自分のことは結局、自分にしかわからない。
私の中の私は、私。
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