家に響く、怒り混じりの話し声。

「ああ、またか……」

思わず声を漏らした。

部屋に篭って一人きり。耳を塞いでみるけれど、どうやら効果はないようだ。

虐待なんて重いものじゃない。

常識外れの私の姉は、よく両親に逆らう。そこから始まるただの小言だ。

そう、ただの小言。

姉がそんなんだから、いつも私は、両親の期待を背負ってきた。

背負いすぎて、まともに立てない。

それなのに、まだ私にそれを背負わせるのか。

憎い。

私はまた、心の中であいつを殺した。

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