第35話磔刑の鳥へ捧ぐ祈りを
傷つくことにも倦み果てて、私は遠い絶壁の果てにある空を求める。そこを翔けゆく白鳥の一羽となって、この汚濁に満ちた地上から飛び立ち、二度とは帰るまい。失われた故郷を眼下に見下ろしながら、身を休める場所も持たず、ただたましいの赴くままに荒天をゆく。しとどに降る雨と、吹き荒れる風を受けて翼はもがれ、やがてふたたび地上に堕ちるまで。いつか誰かと交わした体温さえも失せて、体はどんどん冷えてゆく。
BGM:Kenji Kawai - The Sky Crawlers
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます