第16話夜の言葉
言葉を越えるために夜が必要で、夜を越えるために言葉を欲さずにはいられないのだが、おおよそ私に夜は与えられず、言葉を発する力もない。発する前にほろほろと崩れる言葉をか細い声で発しても、すぐに渦に呑み込まれて霧散し、ひとかけらの残骸の切っ先に著しく傷つけられ、あるいは隔絶した他者の意図を超えたところで痛みを感じて、その痛覚を遮断するすべももたず、不埒な片恋ばかりをして、書物に弾劾されるまで恨んでやまない。ともすれば
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます