第2話

冗談じゃないよ〜。みんなが手を挙げたら、あたし一人が、何か変ジャン?!嫌だ〜、何でみんな手を挙げるんだろう?本当にそんな事を思ってるの??一人位、他にも手を挙げない子がいても良いのに。変だなぁ、嫌だなぁ。何か困るよ。            ミチルは内心そう思い、半信半疑で従兄弟達を見回した。              すると、千代が言った。         「ミッちゃん。ねー、何で手を挙げないの?!」                ミチルが祖母を困った顔で見る。     千代が又繰り返す。           「何であんたは手を挙げないの?」    ミチルは黙って祖母の顔を見つめて、下唇を噛む。そして急いで廻りのの大人達を見る。母の顔も見る。            皆、大人達は驚いて自分を見つめている。伯父や伯母達だ。             自分の母親もそうだ。そして、母親は悲しそうな、ショックを受けた様な顔付きだ。  千代が言った。             「ミッちゃん、手を挙げなさい。」    ミチルは手を挙げない。黙って下を向いている。                  「早く、手を挙げなさい!」       祖母が又きつく言う。もう、命令だ。   だがミチルは頑なに拒む。        嫌だ。何で手を挙げなきゃいけないのっ?!聞いたのは自分だよ。又同じ親から生まれて来たいかって。だから、嫌だから手を挙げてないんだから、なら、何で嘘を付いて挙げなきゃいけないのー?!          小学校低学年のミチルは凄くそう思い、納得できない。               だが、執拗に千代は厳しい口調で繰り返す。手を挙げろと。 

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