第二話『初めての魔物狩り』
用意された初期装備を身に纏ったレンタはまず自身の強さを確認する為『ステータス』と唱えた。
するとレンタの目の前に能力値などが書かれた青いパネルが開かれる。
[Name:レンタ・ダンカー Lv:6
HP:80 MP:90
物理攻撃力:42 特殊攻撃力:68
物理防御力:47 特殊防御力:64 素早さ:48
<スキル>
黒き火種(ブラックファイア)、泡鉄砲(フォームガン)、吸収(ドレイン)、石の礫(ロックグラベル)、風巻(ウィンド)、幻影(アイション)
<装備>
鉄の剣…初期装備。物理攻撃力+4
革の鎧…初期装備。物理防御力+3
革靴…初期装備。素早さ+3 ]
流石魔族に育てられたというべきか特殊攻撃力と特殊防御力が普通の魔法使いの二倍近い値はある。
が、これも流石魔族というべきか物理防御力や物理攻撃力が普通より低い為、レンタは物理型キャラのLv1装備で序盤は補ってゆく様だ。
「まぁ光魔法以外の六属性1Lv魔法は一応覚えているしこれからも覚えられるから慣れてきたら魔法使いの杖とかを持ちそれらしく見せるのも手だろうな。」
「さて、旅に出たはいいもののまずは何をしたら良いのだろう。」と、彼は考えた。
言い忘れていたが今レンタが立っているのは魔族の子供が旅に出た時一番初めに訪れるダンジョンで一番倒しやすいレベルの魔物が生息する草原の一点である。
「このままあの王国に突っ込んでも光魔法への対抗策も今は特に無いからニンゲンの勇者の場所に辿り着く前に聖兵達に倒されるのは目に見えている…やはり最初は魔物をボチボチ倒して経験値を稼ぐ事から始めるのだろう。という事でレベル上げだー」
ーー数十分後ーー
最初の目的を明確にしてレベル上げに励もうと魔物を探している時にレンタは早くも魔神族が抱える最初の関門に堂々と突っ込んでいた。
「魔物が…出ない!!」
そうなのだ。
いくら歩き回っても魔物の気配は僅かにあるのだがその姿が何処にも見えない。
魔族により生み出され魔界の魔力を吸い取って仕上がった魔物達にとって魔族は親のような物でその生みの親である魔族に攻撃を仕掛けるなど魔物には出来る筈が無い。
ましてやその魔族のTOPである魔神とその血筋に手を上げるなど言語道断である。
普通に生活している時は魔物が襲ってこないのは有り難かったが今となってはそんな優しさは要らず「もっと襲ってこい、オラァ!」というのがレンタの本音だった。
「何十分か前のレベル上げ宣言が何時まで経っても達成出来ないじゃないか。」
レンタの中の怒りセンサーがマックスに到達しようとしていたその時何mか前の所を狸のモンスターが横切るのを発見した。
レンタはそのチャンスを逃すまいとモンスターを追いかけながらモンスターのステータスを確認する。
[Name:転がり狸 討伐レベル:1〜2
HP:6
物理攻撃力:4 特殊攻撃力:1
物理防御力:3 特殊防御力:2 素早さ:3
<スキル>
体当たり(ボディブロウ)、逃げ足(ダッシュ) ]
…あれなら余裕!
レンタは転がり狸の前に回り込み鉄の剣を高く振り上げる。
転がり狸はこの足の速さの差では逃げ切れないと思ったのかスキル体当たりを使用。
「幻影!」
幻影はいわば影分身の様な物で攻撃を受けると消滅する自分の分身を創り出す能力。
使用する為のMPは3で分身体の上限は8体だが外見の模倣は少し頼りないのが弱点。
しかし転がり狸は見事にレンタの分身に体当たりを食らわせ地面に背中から落ちる。
「これでトドメ…!」
腹に鉄の剣を深々と刺された転がり狸はHPバーがあっという間に0になり光の塵となって消え失せた。
「ふぅ…これで多少は経験値上がったかな。」
レンタが改めて自分のステータスを確認すると経験値バーの所が全体の4分の1程上昇していた。
「ま、転がり狸の討伐レベル1〜2って書いてあったしこんな物か。今日はレベル上げに励んで明日から本格的に旅の始まりって事になりそうだな。」
そう言うとレンタは片っ端から魔物を襲いに襲いまくって行ったのだった。
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