銀の星の涙

 昔々あるところにジュスティーヌという女の子がおりました。ある日ジュスティーヌが森で野苺を摘んでいると、間違って土の中に埋まっていた妖精を掘り起こしてしまいました。妖精の帽子が苺そっくりだったのです。

 妖精はかんかんに怒って言いました。

「土浴を邪魔するなんて酷い子だ。涙がすべて銀の星になってしまえ」

 ジュスティーヌは必死に謝りましたが、妖精は聞き入れずに姿を消してしまいました。

 途方に暮れたジュスティーヌの目から、涙の代わりに小さな銀の星がこぼれます。銀の星は地面に落ちても消えず、鬱蒼とした森の中でキラキラと光っています。それがあまりに綺麗だったので、ジュスティーヌは思わず泣き止みました。

 ジュスティーヌが銀の星を持って帰ると、ジュスティーヌのお母さんが穴を開けて糸を通し、首飾りを作ってくれました。首飾りをつけたジュスティーヌが外を歩くと、子供からお婆さんまで村中の女性が欲しがりました。でも、材料はジュスティーヌの涙です。涙は出そうと思うとなかなか出ないものです。

 すると、お母さんがジュスティーヌにタマネギと包丁とまな板を渡しました。ジュスティーヌはタマネギをザクザクみじん切りにしながらポロポロと銀の星の涙をこぼしました。

 こうして村中の女性が銀の星の首飾りをもらい、ジュスティーヌは刻んだタマネギがたっぷり入ったハンバーグをたらふく食べたということです。

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