第16話 《やってみた》創作のこだわりと信条に関する15の質問

Q1.文芸作品としてよく読むジャンル、執筆する主なジャンルは? 思い入れなどがあればそちらも併せてどうぞ。


読むジャンル……

・文体がぱっと見で合う小説。

 例えば夏目漱石はどれだけ優れていると言われても読めない。行間からにじみ出る何かを直感で「これはあかん」というのがある。その逆。ばらばら、と読んで「あ、これは」と思ったもの。ただし読みやすすぎたら買わない。ワタシは速読すぎる。

・小説の中に何かこれがもの凄く好きだーーーってのが判る蘊蓄が多いもの。

 わかりやすく言うと京極夏彦の初期。あれは読みやすかった。

・時代小説。平安ものと近代ものが好き。

・「世界の名作文学」。若草物語は角川文庫から出た細かい奴が好き。ケティ物語は装丁が可愛くなりすぎて残念。フォントルロイ・セーラ・ペリーヌ・ハイジ、それに何と言っても「飛ぶ教室」。こういうものになると訳違いも探す。

・研究対象だった吉屋信子の昭和戦前家庭小説。ただしこのひとに関しては「何処に違和感があったのか」を延々追求していたので、楽しむ普通の読書とは違うざんす。


執筆する主なジャンル……

・一次創作は昔はSFとバンドもの。

・二次創作は「彼等のその後」「過去」等。

・現在は「うつほ」訳の続きと「無国籍ファンタジー」。「異世界」というには今一つ違和感があるし、SFともつながってるので。


Q2.初見の方に対して、とりあえず薦めたい自分の作品(※カクヨムで公開中のもの)はどれ? あらすじと共に、ごく簡単にご紹介を。


・ファンタジー好きなら「四代目は身代わりの皇后」。

 出産で多くの嫁いだ女が亡くなったということで怖がった令嬢が乳母子と入れ替わったことから始まるおはなし。

・現代ものなら「ホールドオン~」。

 最終的には百合。きょうだいコンプレックスとか家庭に不満があったとか抱え込んでた主人公が最終的には本当に欲しいものを掴むまでのはなし。

・旅行記なら「50女がママチャリで~」。

 これは実際に北海道を回ってきた記録。小説じゃないなあ……


Q3.「文芸作品たるもの、一番肝心なのはこれでしょう!?」「私はこれが備わっている作品が大好きなんだ!」と思う、書き手として、または読み手として絶対に譲れないポイントはある? ※最大3点ぐらいまで。


・目がすべらない

・行間に不快感を覚えない


 あとはその時々なので、基本はそれだけかなあ……

 ただし上記二点があったら「読まない」。

 書き手として果たしてそれができているか甚だ疑問ではあるのですが。

 書き手としては、


・譲れない一つの最初に掴んだ印象


 ですかね。抽象的ですが。後のことはそれについてきます。


Q4.自作の執筆時、その譲れないポイントを読者にも余すところなく伝えるために、特に注力しているポイントや心掛けはある? ※最大3点ぐらいまで。


・読みやすくする

・キャラ立てが苦手なのでがんばる


Q5.「喜」「怒」「哀」「楽」の内、自身の作風やこだわりとして最も強く描き出したい感情はどれ? その理由や、具体の工夫、心掛けなどがあれば併せてどうぞ。


・「喜」を最後にもってきたいために、「怒・哀」を使う。「楽」はエッセイ等に常に漂わせていたい。


Q6.主人公、ヒーロー/ヒロイン、悪役、脇役、ライバルetc... 魅力的な人物として描き出すために、特にこだわっているポイントや意識はある?(例:個々の人物設定や各キャラの配置と関係性、外見・内面の描き方etc...)


・ゼロからキャラを作るのが無性に苦手なので、どうしてもモデルが必要だった時期が多い。その対象をとことんまで観察した。

・ただし悪役は苦手。どうしても悪役を作ると「母親」が出てきてしまうのが問題。

・何にしてもその配役の適性というものは、人そのものを理解することから始まると歳をおうごとに感じてしまう。


Q7.世界観や設定を考える際、考証(時代考証、科学技術考証、職業や学校生活・部活などの考証etc...)は重視する派? それとも、あまり気にしない派? その理由や、重視する派の方は情報収集の方法やどの程度調べるかの基準なども併せてどうぞ。


・好きな部分だと**警察に成りかねないあたりがある。読み手としてはそこが許せなかったら本を叩きつけるかもしれない。

・自分の場合、現実のそれがあまりにも重視したいのにできない憂さからSFに飛んだ。←逃げ。


Q8.最近の流行や話題作の中で、「いや~、そうじゃないんだよなあ」と思ってしまうことや、「世の流行りがどうであれ、私の作品ではああはしません」と意識していることはある?


 ない。

 というか流行が…… 判りません……


Q9.最近の流行や話題作の中で、「これが世間にウケるのはわかる」と感じていることや、「自分の作品にもそこに通ずるものはあるぞ……」と内心思っていることはある?


 自分が25年も昔に「これ何処に出せばいいんだ?」と思って書いたものが今になってそれなりに読まれるこという事実に「解せぬ」となっている。

 自分が早すぎたのか、自分みたいのが増えたのか、その辺りは判らないが。


Q10.仮に自作品の出版やメディアミックスが行われるとしたら、ぜひ携わってほしいと妄想するクリエイターやアクターはいる?(例:映画監督・映像作家、アニメやゲームの制作スタジオ、俳優・声優、作曲家・音楽グループ、漫画家・イラストレーター・デザイナー、小説家・脚本家etc……)


 モデルにしている人物がそう動いたら最高だけど、無理。

 脚本家は何というか朝ドラとかで散々「何やってるんじゃこいつわ」的なことが多かったので、下手に突拍子もないことやらない堅実なものなら。

 アクターその他は覚えられないのできっと任せて「へーそう見えてるのかあ……」と納得してしまうのではないかと思う。


Q11.小説執筆以外で、「これに関しては一般の人よりちょっと詳しいかも」と言える趣味や特技、専門知識などはある?


吉屋信子の作品に関しては全国レベルで詳しいと思う。←研究者の数とその内容からして。

堤千代の作品に関してはたぶん全国で五本の指に入るんではないかと思う。←研究者そのものが見つからないことから。


そうでない普通の趣味としては、「竹籠等の作り方」かな。

上手くはないが青竹切り出してきて磨いて割って割いて編めなくはない。


Q12.自分の創作活動や創作物において、小説以外のもの(映画・音楽・絵画など他のカルチャーや、人間関係、勉強・研究・仕事、忘れられない思い出等々の実体験まで含めて)から受けている影響やモチベーションはある? ※最大3つぐらいまで。


・育った環境と家族関係→ベース

・90年代ライヴ走り→イメージ

・40越えでの大学院の二年間→追求


Q13.ものを書き続ける限り永遠に追求していきたい、もしくは自分のどの作品にも通底する(自分の作品とは切っても切り離せない)と思うテーマやメッセージはある?


人の考える/感じることにはどうしようもないずれがある。

当たり前のことだけど、それが切り離せないと不幸になることが往々にしてあるし、違いを知っておくことが楽になる道。


Q14.これから自作品を読む読者の方に、ぜひ楽しんでほしい、楽しませる自信があるポイントは?


少なくとも数はあると思うので、性に合うならしばらく楽しめるんではないかと思う。

だけど合わないと無理だとは思う。


Q15.最後に。これまでの回答内容も踏まえつつ、改めて自作品を深く、そして熱っぽくお薦めしてください! ※Q2と同じ作品でも、複数の作品でもOKです。


 新型コロナで何処にも行けない皆様、去年の初夏~夏の北海道をママチャリで走った記録で少しでも旅行気分に浸れるといいです~

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