第79話 今・医院

妹が見つけてくれた医院に行ってみた。

低周波については何も書いていなかったけれど、化学物質過敏症と電磁波過敏症を見てくれる医師だ。



予約は、午後3時。

少し早めに家を出て、周辺で何か食べられる店はないかと探した。

何かと言うよりも、はっきり言えば蕎麦屋を探した。


私は今のところ、比較的安心して入れるのは蕎麦屋しかない。

それも、チェーン店ではなく、きちんと出汁をとっていそうな個人店だ。


医院の最寄り駅周辺には、中華そば屋しかなさそうだった。

スマホで検索すると、隣駅に良さそうなお店がある。

何とかギリギリ間に合いそうなので、駅に戻って隣駅まで行った。



私は、大体いつも鴨せいろ。

カウザルギーがすごく悪かった時は、それすら食べられず、せいろにするしかなかったけど、まぁ、そんなに悪かった時は外食することもほとんどなかった。

今はなぜ鴨せいろかと言うと、鴨だしのつゆで食べるのが好きだから。

それに、おそばは大好きだけど、温かい蕎麦は香りが飛んでしまって好きじゃない。

でも、冷たいおそばはお腹が冷えてしまって困る。

だから、冷たいお蕎麦で温かいツユの鴨せいろ、というわけ。


ほとんどお肉の入っていない、鴨だし味も鴨せいろも好きだし、鴨肉も好きなのでしっかりお肉が入っているのも好き。

なぜか、牛肉や豚肉、鶏肉よりも、鴨肉は1番最初に食べられるようになった。

それでも、たくさん食べるとやはりお腹が痛くなるので、お肉がたくさん入ってるお店には滅多に行かない。



今日のお店は当たりだった。

久々にとてもおいしいお蕎麦を食べて、なんだか得したなぁと思いながら医院に向かった。


こんな時でも。

ちょっとした幸せは大事。





少し早く着いたけれど、患者は私1人。

先生は既に待っていらした。


生活について、あれこれとアドバイスをもらう。

結局のところ、手っ取り早い治療法は無い。

とにかく1番良いのは歩け、と。

筋肉をつけろと言うことだ。


さすがに診断書と言うわけにはいかないけれど、意見書の形で出してくれた。

どこまで役に立ってくれるかわからないけれど、無料弁護士相談の時に持っていこうと思う。




医院で、私は、カウザルギーと低周波過敏は関係ないと思うと言ったけれど、よくよく考えてみれば関係あったかもしれない。

低周波過敏を発症した頃、カウザルギーのせいで私は、かなり偏った食事をしていたし(まあ、今もだけど、今よりさらに)、数年間、ほとんど歩くこともできず、筋肉量もがっくり落ちていたし、それが低周波過敏を発症した原因の1つだったのかもしれない。


それと、先生の言葉が印象に残った。

化学物質と違って、電磁波や低周波は溜まっていかない。

つまり、それに当たったときには具合が悪くなるけれど、ちゃんと抜けていくと言うことだ。


そういえば、私も、低周波の影響ですごく具合が悪くなって、全然食欲がない時もたまにあるけれど、そこが過ぎればけろっと食べられるようになる。

もともと食いしん坊なので、私が食べられないと言う事は、ものすごく具合が悪いと言うことだ。


でも、とにかく、そんな感じで、すごく具合が悪い時とそうでもない時が本当に1日単位でコロコロ変わる。

先日のように、長く強い低周波にあたり続けてしまうと、すぐには回復しないけれど、化学物質過敏症よりは影響が抜けて行きやすいのかも。

だから、一見して私が具合悪くないと見える日もあるのだ。

自分自身の体感では、全然本調子ではないにしろ。

それで、前の家の方には私が本当に具合が悪いことを信じてもらえなかったのかもしれない。



カウザルギーの方はそんなにコロコロ変わらないんだけどね。

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