24

「あら?スクアーロじゃな~い。何やって…」


廊下ですれ違い様に声を掛けて来たのは、ルッスーリアだったが。

スクアーロの顔を見て、何があったのか察したらしく、言葉を遮った。


「…何だ、テメェか」

「テメェか、じゃないわよ?何があったのよ?」

「別に…」

「別に、じゃないわよ。顔に書いてあるわよ?し・つ・れ・ん・て、ね?」

「うるせぇ!俺はリリィが…リリィが笑っていさえすれば…それで…」

「あら~、そう、やっぱりボスを選んだのね。残念ねぇ」


スクアーロは何も答えずに、自分の部屋へ入って行った。


「やれやれ、だわね~」


ルッスーリアも自室に消えて行った。

ボンゴレのアジトに静かな夜が更けてゆく。

ザンザスは…。

まだひとり、いつもより多めに酒を呑んでいた。

時折、眠るリリィの顔を覗き込みながら。

まだ自分の選んだ道が、正しかったのか、判らずに静かに酒を呑んでいた…。


「おにいちゃん…?」


いきなりリリィが起きて来た。

びっくりしたのはザンザスの方だ。


「何だ、気が付いたのか?」


気が付いた、って?


「あたし?どうしたの?」

「俺の腕の中で、失神しただろ?覚えてねぇか?」


リリィの顔が、耳まで真っ赤に染まって行った。


「嘘っ?」

「嘘言ってどうする?」


ザンザスが不敵な笑みを浮かべ、笑った。

リリィは少しはにかみながら言った。


「おにいちゃん?」

「何だ?」

「大好き」

「そうか…。もう遅い、今夜は寝ろ」

「おにいちゃんと一緒に寝る」


ふっ。


ザンザスはリリィの肩を抱いて、ベッドに連れていった。

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XANXUS~おにいちゃん 神崎真紅©️ @blackspot163

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