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「ゔぉ゙ぉ゙~い゙!リリィは何処だぁ゙ぁ゙~」

「るせぇっ!カス鮫が何騒いでる」

「おにいちゃん。それって、酷くない?」

「何だ?カス鮫を庇うのか?リリィ」

「だって、一応ヴァリアーの隊長だし」

「俺様よりカスがいいのか?」


ザンザスの口調は、どことなく不機嫌な様子を呈していた。


「??おにいちゃん?」


リリィが、ザンザスの変化に素早く気付いた。

しまった!

俺とした事が、リリィに気付かれるとは不覚だった。


「リリィ、お前はこの俺の命だ。それを忘れるな」


いつもと違う…?

リリィには、ザンザスが何故か、怒っている様に感じていた。


「おにいちゃん?リリィの事怒ってる?」

「何故そう思う?」

「だって、隊長の事話してからのおにいちゃん変だよ」


ふっ…。


ザンザスは、何も言わずリリィの髪を撫でた。


「もう遅い。今夜は寝るぞ」


それだけ言って、リリィを連れて寝室に向かって行った。

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