14

随分久しぶりの日本だな。

ザンザスは、上空から変わり果てた街並みを見下ろしていた。


「まるで戦場だな」


ぽつり。

ザンザスは呟いた。

こんなところにリリィを連れて来たのは、やっぱり甘かったな。

早く白蘭をカッ消して、リリィを連れてイタリアに帰ろう。

ザンザスは、リリィの待つボンゴレのアジトに向かって、飛んでいった。


「ん?あれは…」


並盛の、神社の中に、隠し扉が見えた。


「霧の結界で隠してあるのか」


すっ…と、ザンザスの姿が消えた。


そこは。

和風の廊下が長く続いている。


「ここで何やってんの?」


その声に振り向くと、恭弥が立っていた。


「貴様は、雲雀恭弥か。ここは、貴様のアジトか」


雲雀はムッとして言った。


「僕はあなたが何故ここにいるのかを、聞いてるんだけど…。答えないのなら」


チャッ!と、トンファーを構える恭弥。


「待て、俺は今、貴様の敵じゃない」

「ふぅん…。いつから味方になったんだい?」

「雲雀恭弥、貴様なら判るだろう?今の俺達の敵が誰なのか」

「僕の前に立つ者は全て敵さ」

「ふっ、話しにならんな。邪魔したな」

「待ちなよ、逃げるのかい?」

「妹が待ってるんだ」


捨て台詞の様にそれだけ言って、ザンザスはリリィの待つ部屋へ帰って行った。

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