11

「さて、アジトの中でも案内して貰おうか」


ザンザスが、リリィの頭に手を置いて言った。


「おにいちゃん、じゃあ、この人が?」

「あぁ、沢田綱吉。ボンゴレ10代目だ。まだガキだかな」


ガキ…。

そりゃザンザスは10年の月日が流れてるけど…。

リリィが微笑みツナに手を差し出した。


「初めまして、ボス。リリィです」

「あ、う、うん。初めまして」


差し出されたリリィの手を、ツナがそっと掴んだ。

柔らかい。

頬が紅潮してくのを感じた。


「沢田綱吉!リリィに妙な事をしたら、命はねぇからな」

「そ、そんな事しないです」


俺だって、命は惜しいさ。それに…。

京子ちゃんがいる。


「あ、じゃあ、他の女の子達に紹介するね?」

「おにいちゃん…」

「何だ?独りじゃ不安か?」

「ん…」

「俺も一緒で構わないか?」

「ええ、勿論どうぞ」


ザンザスの、こんな表情初めて見たよ。

ザンザスにも優しい一面があったんだ。


「ゔぉ゙ぉ゙ぉ゙い゙。リリィは何処だぁ゙ぁ゙~」


またスクアーロ?

何で?


「カス鮫が騒いでるな」


くす…。

リリィが笑って答えた。


「隊長はいつも楽しそう。ね?おにいちゃん?」

「ウゼェだけだ」

「リリィ~、何処だぁ~?」


あの…。

アジト中に響いてますが?止めないのでしょうか?


「あの…女の子達がびっくりしますけど…」

「放っておけ」


はあ。

そうですか。


期待通りのザンザスの返事だった。

やっぱりザンザスは、ザンザスだよなぁ。

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