第18話 「2418人」
「じ、条件ですか......」
ミーファ達はゴクリと唾を飲み込む。
(もしも法外な値段を要求してきたりしたらどうしよう......逃げる準備だけはしっかりしておこう)
ミーファは服の裾をぎゅっと握りしめる。勇者と目を合わせ軽くアイコンタクトをした。
すると、赤髪の少女は大声で笑い出す。
「え...?」
「なに身構えちゃってるの! 別に僕は大金吹っかけたりはしないよ。ただ僕が欲しいのは情報だよ」
「情報?」
「そう。だって面白いじゃない。王国が厳重にした封鎖体制を潜り抜けてここまできちゃうなんて。君達ただものじゃないよ!」
彼女は興奮して私の手を握る。
「おっと、いきなり不躾だったかな。僕はソラ。よろしくね。君達は?」
ミーファは罠かもしれないと思い少し警戒したが、やっぱり敵意はないようなので名前を名乗った。
「......私はミーファ。こっちは勇者のハロルド」
「勇者さんとはびっくりだよ〜、でもまあこんなところにいるんだったら信じるしかないか」
「それで何を話せばいい」
ハロルドはソラに問いかける。
「うーん、そうだな〜じゃあまず一番大事なこと。どうやってここまできたの?」
ミーファは両親のこと、そして勇者に助けられたことを話した。
「そうだったんだ......大変だったね」
そう言ってソラはミーファを両腕で抱きしめ頭を撫でる。
「それで勇者さん、どうやって王都に入ったんだい? 城門には兵士がいて無理なはずだよ」
「それは......」
ハロルドが説明に困っていたのでミーファは、
「壁にちょっと穴を開けたの、私が......」
ソラは目を丸くしている。
「ミーファちゃんが?!」
ハロルドがじろっとこちらをみる。
「あ、そんな大したことじゃないの! 魔法で壁にちっちゃな穴を作ってそれを勇者さんが広げてくれたんだよね?!」
ハロルドはやはり驚いていたが、
「あ、ああそうだな」
そう話を合わせてくれた。
「まあいいか、それじゃあ僕達の街について話そうか」
今まで朗らかだったソラの表情は急に堅くなる。
「......2418人」
「え?」
「何の数字だと思う?」
ミーファはしばらく考えたが、答えは出なかった。
「何の数字なの......?」
そう尋ねると、ソラは神妙な顔で口を開いた......
異世界ラノベ主人公があまりにも〇〇なので退治してみます! えあのの @airnono
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