第11話「トランキライザー」
「トランキライザー!!!」
青年が大きな声を出した。
(魔法? ということは私を助けに来てくれた? つまり、勇者?)
その呪文のような声の後男達の様子は一変した。
「悪かったな。お嬢ちゃん。まだ若いのに両親を殺しちまって。お前の両親も生活が苦しかったんだ。しょうがないことなんだよ。詫びと言ってはなんだが、俺たちが世話をしよう。」
さっきまでの殺気が嘘みたいだ。
「お断りします!」
(とっさに声が出てしまった。それは親殺しなんかに養われたくないけど.....生活がかかってるのだからこのまま死ぬより悪く無いはずなのに)
男達はすぐ断られたことに驚いていたが、まあ無理もないかという表情で家から出て行った。
(何をされるかわからない相手についていくのは危険すぎるよね.....)
「大丈夫かい、お嬢さん?」
(それよりこいつだ。格好からして明らかに勇者だけど、簡単に信用はできない。なにせましてこんなことがあったばかりなのだから。)
ミーファは、一歩下がった。
「怖がらないで、私は君の味方だよ。」
(怖がるな? だったらさっきの謎のスキル説明してからにしてよ! あんなの私に使われたら何されるかわからないんだから怖いに決まってるじゃん!)
「よかったら王都までついて来ないかい?...いくあてもないんだろう?」
「.....うん」
それでもこの状況で、助けてもらわないわけにもいかなかった。私は身寄りのない1人の少女なのだから。
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