第3話「第一村人」


(どういうこと??身寄りの居なくなった少女を勇者が助けに来るとかそういう設定じゃないわけ?それともこの人が嘘をついてる?そんな風には見えないけど...)


ヨミ、いや改めミーファは混乱していた。

しかし冷静になってみるとここは喜んでおくのが正解なのだろう。とりあえず両親に会って話を聞くのが一番早いか...


「ええっ!そうなんですか!ありがとうございます。お母様はどこに?」


男は驚いたような表情でこちらを見つめている。

しかし、少しするとまた話し始めた。


「ミーファも大変だったな。しばらく1人だったもんな。今日は家でゆっくり休みな。もうじき両親が家に帰ってくるだろうから。」


ミーファは男が驚いている理由を考えたがすぐにきづいた。


(あ、プレミした...たかが14歳のしかもこんな田舎町の少女がお母さま!などとは言わない。村人もミーファが疲れているからと納得していたけど、次はそうとはいかないか...)


「うん、わかった。ありがとう!」 


(今度はしっかりとロールプレイできた!)


男は急に口調が戻ったのにすこし戸惑っていたが、男の家らしき方へと立ち去っていった。


(さて、これからどうするかな。第一村人も居なくなったし、ひとまず両親が戻ってくる前に空き家だと思うほど物がなかった自分の家を探索しておこうかな)


そして家の中に戻ると物音がした。

ふと上を見上げるとぷかぷかと浮かぶ鳥がいた。


「なんじゃこりゃあ!!」


少し大きな声を出してしまったミーファだった。

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