第11話 あとがき

『窓』に興味を持ったのは友人の投稿がきっかけでした。その当時、私は友人と共に数名の学生に声をかけてFacebookの非公開のグループを作りました。内容は日々過ごしている中で気になったことを投稿するというシンプルなもので「最低賃金」や「選挙」などお堅いものもあれば、ジブリなどのエンタメ系ものまでありました。その中で特に面白かったのは『窓』に関する話でした。


「窓から得られる情報量は窓から発信している情報量と等しいのか。」


たったこの一行。しかし、よく考えると深いものでした。これがきっかけで私は窓に興味を持つことになります。私はこの問いに向かい合うだけでなく、窓の作品として有名なレアンドロ・エルリッヒの作品を見まくり、少しでも「窓(まど)ラー」に近づくために努力してました。窓は外と内をつなげるという建築的な意味合いもあれば、詩的な意味で使われたりします。語り出すと止まらなくなるのでここあたりにしておきます。



ここからはネタバレになります。



私は前々からドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『複製された男』のような作品を製作したいと思っていました。物語の終わりかけで、今まで手を引っ張ってきた作者がいきなり読者を突き放して、「後は自分で考えろ」っていうような作品です。つまりはどんでん返し系です。


そして私は『窓』というものを利用して、すぐそばにありそうな夢なのに届かない主人公の葛藤を描きたいと思いました。『窓』は外を繋いでる一方で、「出入り口」という意味では外とを遮断してもいます。このちょっとした矛盾を利用できないかなと考えたのです。しかし、初めから未来の自分が幻想的に見えていて…っていう設定はつまんないです。なので変態な主人公が隣人を覗き見しているという風にしてみました。どうでしょうか。引っかかりましたでしょうか。


ここまで読んで下さりありがとうございました。こんな長文を読んでくれたあなたもきっと変態ですね。

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