第9話 2020年7月2日(木)

あれから4ヶ月後、ポーランドを旅立つ日が来た。ジムに通うようになり、たくさん友人ができた。無事に論文もポーランドの大学教授に添削してもらい英文で書き、授業も全てではないが単位を取ることできた。個人的には満足した留学生活を送ることができたと思っている。寮の外から約一年間過ごした部屋を振り返る。すべてはあの窓から始まり、あの窓で終わった。彼は水溜りに反射した虹を見て、不意に顔をあげた。そこには大きくて、カラフルな門がそびえ立っていた。不思議と彼はワクワクしていた。将来どうなるかはわからない。それでも進んでみよう。そんな気持ちになっていたのだった。

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