第六話 クラス分け
とても気持ちが落ち着いている。私、入学式いけるかも!
なんて思ってた時期が私にもありました。
目の前には学校。少し目を落とすと、人だかり。
すでにその人だかりを見るだけで、心臓が激しく動き出すけれど、それよりも…
「お前、何組だった?」
「やった!一緒のクラスじゃん!」
「クラスは違っても私たち友達だからね!」
「グヘヘ、あの子と同じクラスになれた…」
そう、目の前の人だかりは張り出されたクラス表を見ていた。
忘れてた…ユウマと同じクラスになれるとは限らないんだ。私、1人で学校生活を過ごさないといけないの…?
急に寒気が襲ってくる。視界が歪む。目から涙が滲み出す。
その時、ぐいっと腕を引かれた。
「えっ?」
目の前にはブレザー。片手で抱きしめられながら頭を撫でられる。
「大丈夫。大丈夫だよ」
優しい言葉が紡がれる。
「ちゃんとここには僕がいる。もしクラスが分かれても休み時間に毎回会いに行ってあげる。大丈夫、カレンは強い子なんだから。大丈夫だよ」
体が暖かくなっていく。緊張がほどけていく。
あぁ、私は大丈夫なんだ…そう思えてくる。
「ありがと」
ユウマはニッコリと微笑みながら、
「うん。よし、じゃあ見に行こうか。一緒のクラスになれるといいね」
そうして私はユウマに引かれてクラス表へ向かうのだった。
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