第五話 初登校3

長い坂を登りきると、目の前には桜並木が続いていた。


「綺麗…」


カレンが呟く。


「まるで僕らを祝っているみたいだね〜」


カレンが少しでも安心してくれたらいいな、なーんて思いながら、カレンに言う。


「………」


お?カレンが見惚れている。


「桜を見る余裕が出てきたなら、もう大丈夫だね。それで…そろそろ手を離さないかい?みんなに見られてそうでちょっと恥ずかしいや」


「やだっ」


カレンのほっぺたが、私不満です!とふくらんでいる。


「いや、やだって…」


「嫌なものは嫌なの!ユウマは私を学校まで連れて行かなきゃダメなのー!」


はぁ、うちのお嬢様がおっしゃるならしょうがない。エスコートしますか。


「でも…元気が出てきたようでよかったよ」


そう呟きながら僕は彼女の手を引くのだった。



さぁ、学校はもう目の前だ!

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