第10話 すれ違い

ある日、天之馬は、地を駆ける

もう一つの種の馬を見た。

かつては気付かなかったが、

その、地をかける馬は、

しなやかで強く、

野生的な美しさをもっていた。

天之馬は、足音を忍ばせて、

その場を去った。


地之犬は、天之馬の力が日々抜け落ちていることに、

気づき、以前のように、心が踊らなかった。



僕らは、何故、交わらない道を歩んでいるのだろう。

その先に、何があるというのだろう。


ある日地之犬は、天之馬を見つめてそう思った。

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