第9話 共に生きること

地之犬は、駆けて、

獲物をとってきた。

いくら駆けても

疲れないから、

獲物はすぐに

捕まえられた。


しかし、天之馬は、地之犬が

捕ってくる餌は食べられなかった。

天之馬は、朝露の乗った牧場の

草が好きだった。

地之犬は、天之馬が満足するほど

草をとることが出来なかった。

その小さな身体で運べる草は、たかがしれていて、

朝露の乗った草は、

地之犬が、採ってくる途中で、

全てしなびて、みずみずしい露を

全て振り落としてしまった。


地之犬と、天之馬の目的地は、

馬の食べる草のある牧草地へと限られていった。

地之犬は、天之馬のために、駆けていって、

その牧草地から、わずかな馬の草を運ぶ…。


天之馬は、そのわずかな草を

おいしそうに食べてくれた。

地之犬は、それだけで幸せだった。

そして、天之馬は、

地之犬といっしょに歩いていけることが

とても幸せだった。

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