第7話 天之馬と地之犬の旅

雨の日も、嵐の日も天之馬は、

天を駆けることができた。

地之犬は、その天之馬の背に乗り、

振り落とされまいと必死で、

そうしているうちに、

駆けていない地之犬の方が、

疲れ果ててしまうのだった。



天の風は、地を這うものに対して

強い痛みを与えた。

空のどこかに、漂う魂を見つめながら、

いつか、体が無くなれば、

高く高く飛べるのかもしれないと、

そんなことを思った。

冥界は、天にあるのか地に

あるのかわからなかったが、

優しかった主人と会えるかもしれないと、

夢をみることもあった。


静かに、その心を憩わせることができるのは、

二人で身体を寄せ合って眠る時だけだった。

そして、天之馬は、地之犬の疲労を知るようになった。

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