第5話 地に囚われる鎖

地之犬は言う。


主人はこの首輪をした僕が自慢だった。

そして、人が、指輪や、ネックレスで飾るように、

僕ら地之犬は、

人がくれた首輪の善し悪しを自慢し合う…。

しかしそれは、

結局は…、

僕らを繋ぐ鎖であることに変わりないんだ…。

みんな、そのことに触れないで、

繋がれている鎖の善し悪しに、

その丈夫さに、美しさにかかりっきりで、

その本質を見ようとしないんだ。

ああ、これは、

僕らの種全てを繋ぐ鎖なんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る