第298話 ようやく掴んだ真相 入口

「はぁ、ようやく本題か。クエレブレと戦って負けたのか?」


長かった。

とにかくここまで長かった。

コウガの人生振り返って、あれやこれやと話を聞いて。

ほんっとーに長かった。


「あぁ? 負けてねぇよ。負けて。」


おい、おっさん。

ここで無駄なプライド見せてんじゃねーよ。

せっかく話が進んでいたのに。


「いいからさっさと続きを言えよ。言わないならもう俺さ、帰りたいんだけど。」


「わ、わかったから。そんな目で見るな。」



「俺たちとクエレブレは互いに疲弊してた。だが俺たちには人数の利に加えてコウガのスキルがあった。当然、俺たちのほうが戦闘を有利に進めてたんだよ。


そしたら正攻法では勝てないと判断したのかクエレブレの野郎、コウガがいない間に責めてきやがったんだよ。転生者を餌にしてな。


そのせいでヤマトの国土は焦土と化した。クエレブレは女こども関係なく焼き殺しやがった。ヤマトにいた転生者たちも応戦したがコウガの補助なしではそれこそ焼け石に水、多くの人が死んだよ。


コウガが異変を感知してヤマトに帰った時には遅かった。


巨人の里にいた俺もヤマト急襲の報を受けてヤマトに向かったわけだが、、、、、。地獄絵図だった。それこそ思い出したくもないほどにな。


多くの屍の上で二人が戦ってたよ。


クエレブレからすればコウガが戻る前にカタをつけたかったんだろうけどな。まぁ、どのみちクエレブレがやったってことは遅かれ早かれわかるだろうから二人の戦いは避けられなかっただろうがな。


その戦いは今までのモノとは違ったよ。二人とも互いを殺す気で戦ってたよ。


俺はその場に居たが手を出せるような状況じゃなかった。ただ見てるだけだったよ。

あの時の不甲斐なさは忘れられない。。。。」


一気にそこまで語るとスルトは口を閉ざした。

よほど苦い思い出なのだろう。

スルトの顔には苦渋が色濃く浮かんでいる。


「それで、そのあとは?」


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