第295話 スルトとコウガの秘密2

はい、でました。

でましたよ、ファンタジー。。


何となく予想はしていたが実際に聞くとむかつくことこの上ない。

何でもかんでも魔法で解決しやがってて。

こんな話を聞くと前世の俺の苦労は何だったんだと叫びたくなる。

今現在、リュースティア自身が魔法の恩恵にかなり受けているとしても、だ。


「はぁ、なるほどな。コウガの干渉スキルで土地や作物に干渉したってところだろ?それで人が住めるようになったのは分かったがその後コウガはどうしたんだ?」


「おお、よくわかってんじゃねぇか。あいつが手当たり次第に干渉して何とか人が暮らせる土台を作ったって感じだな。そのあとは土地の事はほとんど他人というかちっこい嬢ちゃんに任せて自分はあちこちに出かけては人を拾ってきてたな。」


最低限のことをやったらあとは人任せとか最低だな。

とか思いつつも同じ状況になったら間違いなく自分もそうする自信しかない。

なんせ統治とか農耕の知識なんてないからね。

それこそ漫画とかテレビの世界の話だ。

それよりも気になることがいくつか出てきた。


「ちっこい嬢ちゃんってミーシャのことか?」


「ああ、そういやそんな名前だったか。」


やはりか。

だがさっきの話を聞いた限りだとコウガとそうそう離れるようなことはしないと思うんだが、、、、。

まぁいい、ミーシャも大人になったってことにしておこう。

コウガにとっては大切な人かもしれないが俺には関係ない。


「で、コウガはなんで人をあちこちから人を拾ってきてたんだ?迫害にあっているものたちの為に作られた国というのは分かるがわざわざこちらから探す必要なんてないだろ。それも国をほっぽってまでやることとは思えない。」


「あー、それに関しては俺も詳しくないんだがあいつには探している人がいたらしい。何でも特別な力を持った連中らしい。なんだったかな、チキュウ?とか言ってたか。」


チキュウ?

もしかして地球?

コウガは異世界から来る人を探していた?

何のために?

そもそも異世界から来る人がいることをどうして知っていたんだ?

だめだ。

わからないことが増えていくばかりだ。


「他にはなにか言っていなかったか?」


腕を組みながら必死に記憶の断片を探ろうとしているスルトに言う。

そう言えば共有記憶?とかって言ってたな。

あれはどういう意味なんだ。

それにコウガの記憶をなんでこいつが見てきたかのように話せたんだ?

と、今更ながらの疑問を抱きつつも、今はそんな事どうでもいい、とばかりにスルトからの言葉を待つ。

後でまとめて聞けばいい。


「えーっと、確か10番目が最後だから、あと8人とか言ってたな。」


10番目で最後?

という事は少なくともこの世界に転生したやつが10人いるってことか。

俺と、コウガとおそらくあいつもそうだろう。

となると残りは7人か。

今までの話からすると10人は違う時代に転生させられたとみて間違いないだろう。

会うのは、、、、、無理そうだな。

まぁ、そこまで会いたいわけでもないし別にいいか。


そう言えば侍とか忍者みたいなやつらいたなー。

転生者の子孫とかかな?

コウガが転生した時代の事を考えると俺がこの世界に転生したのは運が良かったのかもしれない。


今更ながら自分の運の良さを改めて実感したリュースティアなのであった。

そしてこのあとの話も長くなりそうだと内心でため息をつく。

そんなリュースティアたちを知ってか知らずか。

現在進行形で少しづつではあるが確実に迫りくる魔王軍。


破壊神の加護を受けし、ハリストスことアルフリック。

創造神の加護を受けし、リュースティア。

両者が再び相まみえるのはそう遠くない。


果たして世界の行く先は、、、、、。



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