第250話 想像と真実
*
「ほんまにわけわからんやっちゃな。」
話してみろやと馬鹿にしていたくせに話したら話したで呆れるとかなんなんだよ。
頼まれたから話したのにさ、こんなんなら話さなきゃよかった。
つか呆れられる理由がわかんない。
「はっはは。やっぱてめぇは面白れぇな。」
こっちはこっちで面白がってるしさ。
面白がられる理由もわかんないんだけど?
つかレヴァンさんとアオイに関してはもう少し関心示せや。
さっきから二人とも微動だにしていない。
案外この二人気が合うかもね。
けっ。
「いいからさっさとあんたの口から本当のこと話してくれよ。話す気がないならマジで帰るぞ。」
「わりぃな。ついつい面白くなっちまった。なにせお前の想像はほとんど当たってるんだからな。あれだけの情報からそこまで正確に読み取れたる奴がいるなんて面白れぇだろうが。」
スルト、お前それで謝ってるつもりか?
というかそれが説明だ、なんてことしないよな?
大体俺の想像が少なからず近いセンいってるなんてことは分かってるんだよ。
あれだけの情報とかスルトは言っているが情報はそれなりにあった。
それに魔王が双子だなんて世界の終わりみたいなことを考えるよりは一方を思念体のような存在だと仮定したほうがまだ現実味がある。
つまり無理なく、与えられた情報から推論を組み立てていけばおのずと俺が話したような内容になると思うんだよな、これが。
だからこれは俺がすごいんじゃなくてわからなかった奴らが馬鹿だったってことだ。
そうだよな、ユキトさん?
*
「とりあえず順を追って話してやるよ。200年くらい前だったか?俺は俺と同格、いや、俺以上の存在に勝負を挑んだ。そんで負けた。その結果がこれだ。」
厄災の巨人と同格かそれ以上ってことはやっぱり古の魔王の一人か?
ヴァンは魔王の中では若い方だったらしいし、アルも違うだろうな。
ってなると残りの2人のどちらかってことか。
さすがに魔王の中でも別格とされている竜に挑むほど馬鹿には見えないしレイン何とかのほうだろうな
「で?」
「それで終わりだ。」
いやいやいや。
何をすべて話したみたいな態度で達成感に浸っちゃってんの⁉
聞きたいことなんも聞いてないよ?
説明下手というか説明不足にもほどがある。
「もっと詳しく話せよ。誰と戦って何が原因でこうなったとか。本体とお前のリンクの度合いとか行動の制限とか封印されてんならそれを解くために何をしたのとかさ。第一あんたらの望みは何なんだよ。現状維持か?アルフリックの撃退か?それともあんたの封印を解くことか?」
ったく、小学生の発表はじゃないんだ。
せめて5W1Hくらいは意識して話してくれ。
つかさっきまで全く関心を示していなかったレヴァンさんがこっちを見てにやにやしてやがるのがむかつく。
もう完全に調子は戻ったようでよかったですね!
「誰と?そんなもん赤き竜、クエレブレに決まってんだろ!戦いを挑むなら一番強ぇ奴とやんなきゃな。」
「・・・・・。」
はい。
えー、バカがここに居ました。
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