第212話 世界の始まりと賢者

「えっとそれマジな話?今から何千年前に二人は出会ってて、しかもルナはルイセントの命の恩人?そんな偶然ってなんか逆に胡散臭いっていうかさぁ、、、。」


信じられるか!

って言っても二人とも嘘を言っている感じじゃないしなぁ。


「うるさいわね。私だって嘘だと思いたいわよ。誰が好き好んで昔の知り合いに会うもんですか。しかも寄りにもよってゲリュオンなんかと。」


これはけっこう本気の嫌悪だな。

顔がかなり引きつっている。

昔なにがあったのか聞くの怖いなぁ。





「これは私がオリジナル、つまり始まりの賢者であった時の話だ。この世界を創った二柱の神はこの地に精霊を放ち、神々を住まわせた。それがいわゆる神代と呼ばれる時代の事だ。」


うん?

しれっと新しい情報だよね、それ。

神代って神様たちとの距離が近かったってくらいの情報しか持ってなかったよ。

けどさ、この世界を創った二柱って言うのが創造神と破壊神だろ?

それはスキルを介して知ってたからいい。

住まわせた精霊ってのがルナたち自然の精。

魔力があれば精霊は自然に生まれるらしいし、神なら創造もできるはずだ。

うん、ここまでは理解可能だ。


けど一つ言いたい。

他の神様たちは誰⁉

もしかして他の世界の神を連れてきたとか言わないよね?

あの爺さんなら考えなしにそういうことやりそうで怖いな、、、、。


「神たちはみな信仰によって支えられている。そこで神々は人、魔物、獣、妖精、様々な種族を生み出した。」


おお、なんか地球にもあった天地創造っぽいな。

それにしても今更ながら神様の力ってすごいんだな。

生命を生み出せちゃうんだもんな。

あっ、でもそれは俺でもできるってルナが言ってたっけ。

それはともかく、思ってたよりもあの爺さん、仕事してんな。

もう少し敬った方がいいかもしれない。


「それでルイセントは最初の賢者になったってこと?ってことは初めは人だったのか。」


「いや、それは違う。私は亜神の一人として神々から賢者の名を賜った。」


ふーん、亜神の一人としてねぇ。

亜神、、、、、、、神⁉


「ルイセントって神様だったの⁉」


「ばかねぇ、こんな奴が神様になんてなれるわけないじゃない。」


おっと、横から否定が入ってきた。

じゃあどういうことなんだ?

亜神は神じゃないのか?

そもそもルイセントって何者なんだ?


「亜神は神になれなかった者だ。神になるには神格が足らず、人として生きるには徳の高すぎる中途半端な存在。神たちからは眷属のように扱われている。」


「つまりルイセントはそんな神様からの命令で賢者になったってことか。任期は何千年ってえぐいな。」


実際見返りのない労働、しかも何度も死んで何度生きる。

その都度新しい種族、新しい世界。

記憶も完全ではない。

考えれば考えるほど鬼畜な仕事を与えたな。


「ふっ、ふふふ、違うわよ。ゲリュオン、説明してあげなさいよ。あなたの咎を。」


咎?

ルナも知ってるってことは神代に何かあったってことか。

もうさ、アルフリックとの決戦も近いんだ。

物騒なワードはこれ以上いらないんだが?

ヴィルムの話でお腹いっぱいだし。

てかさ、作戦会議、、、、、。


もうやらないってことでいいのかな?










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