第210話 進まない作戦会議
*
「はぁ、あいつはいくつになっても落ち着きがない。それにしてもいい大人がこれだけいながらなんとも情けない。」
あははー、全くを持って返す言葉がございませんね。。。
でも1つだけ言い訳をさせてもらえるなら声を大にして叫びたい。
俺一人にどうしろと⁉
「今回は時間もないし見逃してやるがこのままでいいとは思うなよ?そんな顔をするな。今回は本当に何もする気はない。」
その目で言われたら冗談には聞こえない。
というかまだかなり怒ってるよね?
これはさっさと本題に入った方がよさそうだな。
「じゃ、じゃあさ、まずはルイセントの話を聞くよ。俺に聞きたいことがあるって言ってたよな?」
「ああ、それもそうだな。すまないが、、、、、。」
ふぅ、何とか話が本題になったな。
うん?
ああ、その感じ他の奴らには聞かせたくないのか。
「ルイセント様、私たちも一緒です。」
「そうよ。私たちはリュースティアのこ、婚約者なんだから。」
まぁそうなるわな。
一応みんなには隠し事はしないってことになってるしある程度は事情を知っているから俺的にはいてもいい。
つかシズさん、自分で言って照れるくらいなら言わなきゃいいのに。
「ああ、俺は別にいいよ。隠し事する気はないし。」
ルイセントが視線で俺に聞いてきたので問題はないと答えておく。
もちろんこの場で二人に逆らうという選択肢はない。
だって怖いんだもん、。
*
「単刀直入に聞くが、貴様はアルフリックをどうするつもりだ?」
わぁお。
ほんとに単刀直入だ。
それは俺もよくわかんないんだよな。
「俺は運命の糸を断ち切りたい。俺たちに課せられた使命ってやつをぶち壊す。そんでアルのことも救いたい。」
「使命?」
そういえば使命については言ってなかったな。
ルナにはあまりおっぴらにしないほうがいいって言われたしなぁ。
けどここにいる人たちなら問題ないだろうし、、、。
つか賢者様なさ知っててもおかしくないよな?
なんかヒントでもくれないかな。
「ああ、創造神と破壊神って言えばわかるか?」
「創造神と破壊神?それはこの世界を作ったとされる創世記に出てくる神だな。それが何か、、、、。まさか貴様とアルフリックは、、、、、。」
いやー、さすが賢者さん。
理解が早くて助かるよ。
「それで貴様は創造スキルを持っているということか。そしてアルフリックは破壊。これは確かに運命、そう呼ぶにふさわしいものだな。だがアルフリックが破壊のスキルを持っていた?記録に残っている破壊のスキルは制御不能、触れたものをすべて破壊するものではなかったか?あいつは触れることをためらっていたようには見えなかった。それにあいつがなにかを破壊したところなど見たことがない。」
「あのー?ルイセントさん?」
「いや、待て。だがリュースティアが創造スキルを持っていることはほぼ間違いない。そいつが言っているのだからアルフリックが破壊のスキルを持っていることも真実か?このスキルを持つものは互いに引き寄せられるとも言うし。つまりあいつは制御不能なはずのスキルを完璧にコントロールしてるとでも言うのか?いや、ありえないことでもないか。圧倒的才能に長い年月。力を得るには十分すぎる条件だ。だがそうなるとなぜ人間であるあいつが数千の時を生きられる?それにも、、、、、」
「はい、ストーップ!!!!」
完全に自分の世界に入ってたよこの人。
声かけられてから一瞬お前たち誰だ?って表情したでしょ。
完全にアウトだよ。
「す、すまない、つい思考に夢中になってってしまった。しかしあいつが破壊神の寵児というのは間違いないのか?」
「ああ、かつてあいつと契約していた精霊が言ってたから間違いない。」
「かつてアルフリックと契約していた精霊?、、、っつ⁉もしかして光の精霊か⁉」
「そうだよ。いろいろあって今は俺と契約してるけどな。」
「光の精霊と契約⁉まさかあのお方と、、、。いや、だが精霊との解約は契約者の死を意味する者。多重契約など持っての他。つくのならもう少しましな嘘をつけ。」
ん?
うそじゃないんだけどな。
それにしてももしかしてルイセントってルナのこと知ってるのか?
もしかしてそんなに昔から賢者として存在してたの?
うわー、マジかぁ。
精神年齢まじばばぁじゃん。
「おい?」
やべ、そうだった。
ルイセントって女の勘するどい人だった。
「なんでもないいっす。まぁ疑うなら直接会えばいい。『ルナ、どうせ聞いてたんだろ?出てきてくれないか?』」
とりあえずルナに会えばルイセントも少しは俺の話を信じてくれるだろう。
というかまじで話すすまねぇな。
この作戦会議?ちゃんと結論出る気がしない。
まぁそうなればそうで単身乗り込むだけなんだけどさ。
、、、、。
そう言えばあいつの本拠地ってどこ?
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