第204話 ネーミングセンス
*
「なぁ、あいつの主ってやっぱりアルフリックだよな?」
空から雨のように降り注ぐ火弾をかわしながらリュースティアはルイセントに聞いてみた。
相手がアルフリックなら狙いはまちがいなく俺だし、巻き込んじゃったか?
「だろうな。狙いはわからないが、タイミングからしてほぼ間違いなく仕掛けたのはアルフリックだろうな。」
この火弾の雨を普通に避けながら会話をするリュースティアもリュースティアだが火弾などないかのように平然とその場に立っているルイセントもルイセントだ。
彼女はリュースティアのように身体能力でかわしているのではなく、防御魔法らしいものをつかっているらしい。
なにそれずるい。
てか魔法を使ったのわかんなかった、、、。
それよりもさ、その魔法範囲魔法だよね?
俺まで範囲広げてくれてもよくない?
すこーし非難の想いを込めてルイセントを見てみる。
、、、、、視線をそらされた。
おい、確信犯か。
「あいつはおそらく鳥人族の魔王、クックだな。さすがに私の魔法でもあそこまでは届かないな。」
しれっと話しそらしたな?
つか鳥人族のって言ってたけど魔王って何人いるんだよ。
アルフリックだけでも面倒なのに。
魔王を全員相手しろとか言わないよな?
あっ、しまった。
これはフラグか?
まあいい。
それよりも一つだけ言いたいことがある。
「クックって何⁉」
なんかさ、俺がいうのもなんだけど。
もう少し頑張ろうよ。
*
「ルイセント、後でその魔法教えてもらうからな。さてと、じゃあさくっと倒してきますか。」
止む気配のない火弾にそろそろイライラしてきたしね。
それにこの森もあまりボロボロにさせるのはまずい。
シルフの機嫌とるのめんどくさいがおいしい食べ物を与えればいいから楽と言えば楽だ。
だけどこの森には他の精霊も住んでるし何より食材の宝庫だ。
黒こげにするわけにはいかない。
「まて、仮にも奴は魔王だぞ。そこらの魔族とは違う。勝算はあるのか?」
「あの雑魚、俺と俺の仲間を殺すって言ってんだぜ?泣いて詫びるまでボコる。作戦は以上だ。」
実はけっこうさっきの発言にイラついているんだよね。
ルノティーナの事もあるし俺のはけ口になってもらおう。
「せめて強化魔法くらいはかけさせろ。貴様にここで死なれてはかなわん。」
心配してくれているルイセントには悪いが問題ないだろ。
ルイセントの話を聞いているうちに回復は終わってる。
それに相手のレベルも案外大したことない。
まぁそりゃ魔族なんかよりは強いんだろうけどたぶん俺の敵じゃない。
厄介なスキルとかももっていないし。
面倒な点は空中戦ってとこか。
「ほっ。おお、ちょっと難しいな。」
そんな戦いとは無縁の声をあげながらリュースティアは空を飛んでいく。
風魔法には
なので風魔法の
ルイセントが遥か下で目を丸くしているのがかろうじて見えた。
後日ルイセントが
「いい加減そのうざったらしい火弾やめてくんない?焼き鳥になっても知らないぞ。」
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