第199話 一般常識
*
「いいか?貴様は強い。」
肩の震えが収まった賢者さん。
ソファーに座り直し、深呼吸。
そして何やら諭すように語りだしました。
「そうでもないと思うけど。スキルと精霊のおかげだし俺は別に何も。。。」
「黙って聞け。」
うっす。
すんませんでした。
どうやら賢者さんはかなりまいっているようですね。
その原因は俺なんですけど、いまだに何が悪いのかわかりません。
確かに俺の創造スキルはチートだと思うけどそれ以外は普通だと思うんだよね。
たまたまシルフたちと契約できたから魔法が使えてるわけで。
そのおかげで魔力量もそれなりに多い。
それにたまたま風神と出会ったから魔剣を所持しているわけであって。
風神の性質上どんどん成長しているだけだ。
さらに言うならたまたまヴァンと意気投合してレヴァンさんが仲間になって、影魔法とかを教えてもらえた。
あれ?
なんかこうやって考えると偶然にしてはできすぎてる気がする。
前にも思ったけど俺、こっちの世界に来てから運いいよな。
「貴様のスキルは詳しくは知らないから省かせてもらう。いいか?スキルをなしにしても貴様の力は以上だ。」
「精霊や魔剣の力を抜きにしても、だ。」
おっと、シルフたちのせいにしようとしたのに。
先に関係ないと言われてしまった。
「自覚がないようなので言っておくが勇者や魔王でもない限り本気のエルランドとあそこまでやり合える奴はいない。」
またまたー。
さすがにそれは大げさすぎるでしょ。
それにさっきのエルは本気じゃないと思うけど。
「納得できないという顔をしているな。だがそれが事実だ。ヴィルムの名を持つ奴すらもを簡単に凌駕する力を貴様は持っているということを自覚した方がいい。」
「ヴィルムの名?」
ヴィルムって確かエルとルノティーナの苗字だったよな。
特別な名だったのか?
あいにく異世界の苗字には詳しくない。
だから珍しいとかありきたりとか知らんよ。
けどルイセントの言い方からすると昔から続く名家的な感じかな?
冒険者のランク的に二人とも貴族扱いだけどそれ抜きにしてもいい身分ってことだよな。
ルイセントがドレス着て澄ましたあいさつしているところとか想像できん。
けど、そういえば2人から自分の生まれとか家族の話って聞いたことない。
家の人とうまくいっていないのかな?
まぁ家庭の事情はそれぞれだし深入りするべきことでもないか。
「それも知らないのか?ヴィルムの知り合いが二人もいて?ここがいくら辺境の地とは言えメウ王国だ。噂くらいは知っているのが普通だろう。貴様、、、、もしかして人族以外の国の出か?」
それはあれか、織田家の末裔的な奴か。
歴史上に見ても有名とは二人ともすごい家の出なんだな。
あんまりそういうふうに見えないけどそれは言わないでおこう。
というかルイセントさん、指摘がなかなか的確なんだよね。
俺、他国というか異世界出身なんだわ。
「生まれは遠国の小さな島ってとこかな。最近この街に来たんだ。それよりもヴィルムだと何がすごいんだ?過去に偉業を成し遂げた家の末裔的なやつ?それならあの二人がバカみたいに闘い好きで強いっていうのも納得できるな。」
「、、、、、、、、。」
あれー?
急に深刻そうな顔して黙らないでよ。
もしかしてかなり重めな感じ?
「二人がいないところで話すのは気が進まないが、、、、、。」
そう前置きをしてからルイセントの口からヴィルムが語られた。
その内容はリュースティアが想像していたよりもずっと。。。。。
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