第197話 未来の破滅

「私は未来で貴様とアルフリックが戦うのを見た。」


ワッツ?

ミライデミタ?


いきなりこの人は何を言いだすのでしょうか。

まさか自分は未来人とでもいうつもりか?

過去とか未来とか正直もうお腹いっぱいだ。

だから、というわけではないが俺から情報を聞きたいならもう少しましな嘘をついてくれ。

いくらファンタジーな世界と言えど未来はないだろ、未来は。

いきなり中世ヨーロッパから21世紀ネコ型ロボットですか。

全国の科学者に謝れ。


「私も自分で突拍子もないことを言っているという自覚はある。だがこれは紛れもない事実なのだ。もちろん主観的な意味での事実、ということになるが。だからそんな目で見るのはやめてくれ。」



おっと。

考えが目に出てしまっていたか。

いくら無表情を装っても目だけはごまかせないらしい。

勉強になったよ。

気をつける。


「アーワルイワルイ。チャントシンジルカラツヅキヲハナシテ?」


「おい、こっちを向け。というかなんだその片言は。絶対に信じていないだろう。」


くそ、なぜバレた。


「はぁ、そうだよ。俺は全く信じてない。つか信じられる要素がなにもないだろ。急に未来とか正気を疑うレベルだぞ?」


「貴様の言うことはもっともだ。だから予言のようなものだと思ってくれ。そうすれば理解の範疇になるだろう?」


いや、まず予言が存在していることを今初めて知ったよ。

すでにそれが理解の範疇外なんだけど?

とかを指摘するとさらに話がややこしくありそうなのでぐっとこらえる。

なんたって俺は大人だからな。


科学の国→魔法の世界。


俺って適応能力高いよね?



えーっと。

つまりルイセントの発言をまとめるとこうだ。


・曰く、“始まりの魔法”の中にごく限られた未来を除くことのできる魔法があると。

    なんでもありだな、神代魔法。


・曰く、その魔法を使って何度か未来を覗いたことが何度かあるらしい。

    ってことはもしかすると今、この瞬間も誰かに覗かれているのだろうか。


・曰く、未来は不確定なので些細な出来事で大きく変わってしまうらしい。

    現にルイセントが見た未来もその都度違っていたらしい。

    バタフライエフェクト的な感じか?


・曰く、いつからか未来が大きく変わったらしい。

    天変地異でも起きたのか?

   

・曰く、その未来には俺とアルフリックがいたらしい。

    ここで俺、登場?

    つか神代魔法の一つならアルも使えたりしないんだろうか?


・曰く、その世界の文明は破壊され、あとは世界の終焉を迎えるだけの状態になって

    いたらしい。

     おいちょっと待て、雲行きが怪しくなってきたぞ。


・曰く、どの未来でも俺たちは戦っていたらしい。

     ふむ。

     というこはどう足掻いても戦いは避けられない、と。   


・曰く、その後の未来は人死や崩壊具合などの些細な差はあれど終焉に向かっている  

    ことは同じだったらしい。

     あーはいはい。  

     それでこう言いたいんでしょ?


 

 世界が終焉を迎える理由はお前ら二人にある、と。





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