第188話 炎竜王の実力
※
「はは、っは!かなり腕を上げたな、リュー!楽しいな、おい。俺が本気で楽しめる相手なんて何年ぶりだ?」
エルランドとの戦闘、数時間が経過。
そろそろ飽きてくれないかなぁ、とか思ってたのだがどうやらそれは無理そうだ。
というかちょっと待て。
本気ってなんだ、本気って。
まぁ、確かに?
半刻ほど前からみょーに攻撃が強くなってる気はしてたけどさ。
けどまさか本気とは思わないじゃん?
だってどこの世界に弟子と本気で斬り合う師匠がいるんだ。
って、これこの前の修行の時にも言った気がする、、、。
「本気になりすぎて俺の事殺すなよ!?それよりそろそろ魔力も限界だろ?もうやめにしたらどーだ、っと!【風刃】」
まさかほんとに殺すとは思わないが一応言っておく。
一応、一応だ。
ついでに停戦の提案も1つ。
だってエルのMPかなり少なくなってるし。
体力ゲージも半分を切った。
いい潮時だと思うんだけどなぁ。
「へっ、弟子に心配されるほど弱っちゃいねーよ!【炎爆発】」
おい、バカ。
今のMP残量でその魔法は無理だろ!
暴発して死ぬぞ!?
ドゴーーン!
そして凄まじい爆音とともに迫りくる炎の壁。
どうやら始めの魔法がもともと仕掛けてあったらしい魔法のトリガーになっているようだ。
爆発と炎を誘発してやがる。
厄介なことこの上ない。
というかなんで魔法が発動してんだよ!?
ということを全力でツッコんでみた。
もちろん心のなかで。
だがこの事に関しては深く考えている余裕はない。
今は迫りくる炎の壁からどうやって逃げるかの方が重要だ。
下手に逃げたり風魔法を使ったりしたら森が延焼する。
水魔法で消してもいいがこの規模と温度だ。
水蒸気爆発なんて起きたら洒落にならない。
メーゾルくらいかるく吹っ飛ぶ。
「どーだ、リュー!これが炎竜王の力だぜ。」
なんだよ炎竜王の力って。
くっそー。
聞きたいけど聞いてる余裕はない。
今は魔力を練り上げるのに集中しないと。
まぁあいつの事だ、自分でペラペラ話し出すだろう。
あっ、やばい。
四方を囲まれた。
「俺はなぁ、残りMPが一割を切ると魔法発動にかかるMP消費を10分の1に押さえられるんだ。まぁ炎限定だけどな。しかも炎魔法を使えば使うだけ魔力回復が早くなんだぜ。これが炎竜との契約によって得た力、つまり俺が炎竜王と言われる所以だ。」
つまり戦闘におけるMP切れはほぼないと。
なんだそのチート能力は。
というか炎竜との契約とか初耳なんすけど。
そっか、竜っているんだ。
忘れかけてたけどやっぱりここはファンタジー。
というか剣技といい魔法といい強すぎじゃね?
初めて会ったとき魔法は得意じゃないとか言ってたのはブラフかよ。
はぁ、なんか俺がこんなに必死で強くなろうとしてんのもばかばかしくなるよね。
もうエルが勇者でいいじゃん。
魔王もアルフリックも倒してくれよ。。。
そしたら俺はケーキ作ってっからさ。
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