第165話 影魔法最強説
*
「わりと簡単にできたけど?」
「できるかっ!」
完全にキャラぶれてんじゃん。
そんな食い気味に突っ込んでこなくてもいいのに。
つか剣もだけど俺の創造スキルもだいぶ進化したからなー。
今なら作れないものない気がするんだよね。
前までうまくいかなかった魔法の創造とか疑似生命の創造くらいならたぶんできる。
まぁ必要にならない限りはやる気ないけど。
ん?
もしかして疑似生命っていわゆるAIか?
それなら作るべきかもしれないな。
動くぬいぐるみとかロボットができたら人件費ゼロで従業員が雇えるってことだよな。
仕事の幅が広がりそうだ。
早速帰ったら実験してみよう。
「ってことで俺はやく帰りたいからそろそろおわらせていい?」
「ざけんな、真面目にやれ!」
あれ、怒られた。
他人を見下す従者ロイスはうざかった。
考えが読めない能面ロイスは怖かった。
あのお方に心酔している狂信者ロイスはきもかった。
今の動揺してるロイスはめんどくさい。
なんかこう考えるとロイスって情緒不安すぎないか?
*
「うぉ、なんだよ。危ないな。」
間一髪。
振り下ろされた剣をかわす。
魔法の維持に気をとられた瞬間を狙ってくるとかやっぱり嫌なやつだな。
「ちっ、勘のいい奴め。」
こっちの隙を逃さず突いてくるところを見るとさっきまでの動揺は演技らしい。
実際に驚いて動揺はしていたんだろうけど割と早い段階で冷静さを取り戻していたのかもしれない。
そして動揺したふりを続けこっちの隙を伺うか。
惜しいねー。
俺が油断してたら今ので死なないにしても重傷負ってたかもな。
まぁ俺がこの戦いで油断する、なんてこと絶対ないけど。
「いくら俺でも一回遅れをとった相手に油断するわけないでしょ。ない頭でも少しくらいは考えろよな。」
「ガキが生意気な口を。貴様を見ているとあいつを思い出して胸糞が悪い。だから貴様の言う通り無駄話しは終わりだ。そして貴様の命もな。」
そう言うが早いがロイスが空中に何かを投げた。
そしてその何かはリュースティアの頭上で眩しいくらいの光を放った。
目くらましか?
この光を利用してなにするつもりなのかは知らないが無駄だ。
むしろこの光は俺にとっての利になるな。
そんなことを考えながら瞬く光の中でリュースティアは更なる奥の手を開放するのだった。
*
「終わったな。これで貴様は再び結界の中、というわけだ。もう何もできまい。」
光が収まるとロイスが勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
どうやら先ほどの何かは遠隔起動タイプの結界らしい。
四方とそれらを結ぶ頂点の5つを支点とし、対象者を内側に閉じ込めると言ったところだろうか。
見えない四角錐の檻みたいなものだな。
「ふーん、これがあんたの奥の手?悪いけどこの程度どうってことないな。」
結界内に捕らえられているにも関わらず余裕の姿勢を崩さないリュースティア。
その表情は強がりを言っているようには見えない。
ロイスもそれを感じとったのかその顔に緊張の色が浮かぶ。
「はったりだ。強がるのもいい加減にしておけ。」
今日一でセリフと声、表情があっていない。
本人は強く言っているつもりなのだろうがその声は震え、顔はこわばったまま。
「あっそ、じゃあもう口はいらないな。」
めんどくさそうにそれだけ言うとリュースティアは消えた。
そしてその次の瞬間にはロイスの背後に現れた。
「わかったか?もう俺に結界は効かない。【捕らえろ
そして新たな相棒、
風神が進化したことで剣を開放するための
というより増えた。
今まで通りの
そして今回の場合だと闇属性、それも影魔法の捕縛に特化した形へと開放される。
その姿は千差万別、戦う上での使い分けができるようになった。
「貴様、どうやって、、、。くっ、なんだこれは!こんなもの。くそ!」
ロイスが影を振り払おうと必死に抵抗してるが無駄だ。
今ここで必要なのは戦闘経験ではなく単純にステータス。
リュースティアよりも劣っているステータス、そして結界魔法も使えない今のロイスでは到底太刀打ちできるはずなどない。
・・・・・・。
待つこと数分。
ロイスがおとなしくなった。
まぁ当然の結果と言えば当然なんだけどね。
だってほら、影ってなんでも喰うし。
あくまで捕縛のための魔法だけどそれは相手から軒並みMPとかSP 、HPを奪うことによって成立している。
つまりどういうことかって?
ロイスはすでに虫の息ってこと。
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