佐藤神の大大大冒険

エピローグ ( ^_^)/~~~

エピローグ

　殺人鬼は増えに増えて、今確認されているのだと十三人。ちょうど魔剣13秒と同じ数字だ。関係あるかないか言えばちょっとあるかもしれないけど、正直さらに増えそうな気がする。うなぎ魔人はうなぎを人の喉に通したり、首絞めたりして、殺すし、飛行式断頭台はぶうううーと空を飛びながら獲物を探している。ミスターえんどう豆は首がありすぎてキモいし、山崎ピエール翔太は脳みそ食うし、めまめうは可愛いけど変身するとグロいし溶解液とか出すし、それでドロドロ死体が地下道で大量に見つかったのは勘弁してって感じ。熊パンダ猫は全国の二郎系ラーメン店に出没しては客を皆殺すし、ダッダマンの拷問殺人録はKindleで電子出版されてるし面白がって買う奴がいるものだから危うく、セールスランキング入りしそうになる。夜道で人を狙う典雄に右手と左足を奪われて死んだ人は五百八人いるし、その手足はずっと帰ってこない。マラカルの超雑で適当な無差別殺人は毎日千人以上が被害に遭っていてたまに生き残ったりする人もいる。顎泥棒に顎を盗られちゃった人は後を絶たない。フィッシュヘッドは相模湖を縄張りにしているし、埴神猿男は山登りをしている人を殺す。神卯目彩也子は転校する度に大量の自殺者を出している。

　殺人鬼はまた増える。もうこれ以上迷惑だから増えるな馬鹿って思ったって、どんどん勝手に増えていくし、あいつらほぼ不死身だからなかなか減らない。

　私はみんなに生きていてほしいと思うけど、私がそう思ったところで、死んじゃう人は死んじゃう。殺人鬼とか関係なく病気とか、事故とかで。

　殺人鬼が増えたり減ったりするようになる。警察が頑張ってるのもそうだけど、私は水瀬がやってくれていると信じている。

　水瀬が死んだ後のシマノンは、ほとんど変わらない。水瀬の死はシマノンのパーソナリティに影響してない。最低のシマノンはそのままだ。でもシマノンは水瀬のお墓参りに月一で行くようになった。

　なんでわかるかって、水瀬のお墓参りに私も行ってみたら、シマノンと鉢合わせたからだ。で、シマノンが私に気づいて無言で立ち去ったのが笑えた。そんなに恥ずかしい？

　守川はなも変わらない。結局喧嘩はやめないし、殺人鬼だらけの世の中になっても暴力しまくる。人を殴ったその手で私とスマブラしたりする。きっと大人になっても友達なんだろうなぁと思う。わからないけど。でも大喧嘩して絶交するかもしれない。やっぱりないか、ないほうがいい。ずっと友達でいたいよ。

　私は教科書を読みながら、お母さんが「私のプリン食べたな」って怒鳴るのを聞く。プリン食べたのお母さんなのにね。お母さんはそのことを忘れているんだ。私は私の記憶力に自信があるので、間違えているのはお母さんだと、はっきりと認識できる。

「私食べてないよー」そう私は言うけど、これで確実にお母さんはマジギレする。マジギレしてないお母さんとかオプティマスが人間に裏切られない確率より低い。

　私はお母さんがやってくる五秒間のうちに考える。水瀬のこととか、殺人鬼のこととか、守川はなのこととか、シマノンのこととか、お母さんがこの先もう一度私を殺そうとするかなぁってこととか。もしくは、私を好きになってくれるかなぁってこととか。それは予測不可能。考えてもあんま意味ないなぁ。

　あ、決めた。お母さんは私を殴るだろうけど、とりあえず、今日は殴り返してみようと思う。

了