33話 誕生!関東軍機甲軍団
「斉藤博士、先程の会議でのプレゼンは大変素晴らしかった。
アレで帝国幹部達は動きがかなり良くなると思うよ」
「有り難うございます、中破総理。お褒めの言葉、痛み入ります」
「さて、君が5日前に畑陸相に呼び出しを要請した酒井高次、石原完治両将軍を別室で待機させているから、コチラに呼び出しするからな」
「了解、お願い致します」
会議室に入室してきた男性2人は、国防陸軍の制服を着ており、係員の指示により席に着席した。
「2人を紹介する。石原将軍に酒井将軍だ」
「石原だ、宜しく願う。流石にココの席には頑固ジジイ共は居ないようだな」
「酒井です。コチラの席にお招き有り難うございます」
「それでは、ココのメンバーを紹介しよう。順に、、、、、、」
中破は順に各幕僚幹部達と技官達を紹介していった。
「アンタか!天下三分の計を帝国軍幹部のジジイ達に語り、彼等の口を黙らせた今孔明は!」
石原は前評判通り、斉藤博士にいきなり毒舌めいた言葉で語り掛けてきた。
「流石に石原将軍は歴戦の勇士ですね。
東条上等兵とやり合って左遷されたことは余りに有名ですからね」
「アンタ、俺より年令が若いのに随分俺のことを知っているな」
「ええ、前世界では石原将軍は有名人でしたから」
「どんな風に有名人だ?」
「反骨精神に富んだ皮肉屋ですが、稀代の策略家であることです」
「ほほう、アンタ気に入ったぜ。名前は何だっけ?」
「斉藤貴史です」
「あ、石原君。彼は先程紹介したとおり、現在国防総省国家戦略対策室に勤務している主務技監だが、一応中将待遇で君と同じ階級扱いだから、決して彼を軽んじたりするような言動を取らないように」
「へっ?ええっ?」
「それと、斉藤博士は地政学の第一人者で、東京大学人文学部大学院人文地理学科の助教授であったが、そこから少将待遇で引き抜いて国防大学校大学院で専任教授を勤めてもらっていたんだ。
転移事象以降は、国防総省国家戦略対策室主務技監として中将待遇に任じている。
因みに彼の博士号取得の研究テーマは『戦争と兵站システムの構築方法』で、戦略関係と地政学、特に兵站学のプロだから。
趣味は戦史研究で、前世界の石原君が活躍した関係事項は全て彼の頭に入れてあるようだぞ」
「うわ、マズイな。俺の悪行まで全部知られているわけか。
斉藤博士。先程の俺の失礼な態度、勘弁して頂戴!」
「いえ、私は大先輩である石原将軍に頭を下げられる身分ではございません。
どうか、頭をお上げ下さい」
「相変わらず、石原上官は口が悪いですね。
斉藤博士、根は悪い人では無いので、私からも失言を許して下さい」
「いえ、酒井将軍。私のような者に謝罪は必要ありませんから」
「さて、双方頭を下げるのはここまでにして、本題に入るぞ。
斉藤博士、説明を始めて下さい」
「ハイ、総理。両将軍に来てもらったのは、関東軍に機甲軍団を創設し、その軍司令官と参謀を務めて欲しかったからです」
「き、機甲師団でなくて軍団ですか?まるで夢のような話ですが」
「機甲軍団の規模はどの位の規模で?」
斉藤は石原、酒井両将軍に関東軍の人員規模、機甲師団、歩兵師団の機械化部隊について説明していた。
「確かに俺は満州やノモンハン、シベリアや沿海州には詳しいし、戦車部隊をそこそこ扱える技量はあるが、大規模な機甲師団を扱う戦略戦術と運用方法は持ち合わせていないぞ」
「こちらから戦車部隊のノウハウに詳しい者を送ります。
国防軍には第7師団が機甲師団があり、二つ名では『一騎当千』部隊という名称で呼ばれているほどです。
この部隊からの選抜部隊をそちらの指導に派遣させたいと考えています。
石原将軍は、配下の部隊が円滑に動くように戦略を練れば、戦術関係は配下の幹部が考えますから」
「成る程、俺はただ戦略を考えれば良いのか。
で、この大部隊を活用して攻め込むのはモンゴルとル連なのか?」
「ハイ、御名答です。攻め込むのは来年の12月上旬になる予定です」
「フーン、それまでに部隊をまとめて機甲軍団がキチンと運用出来るようにするのが、俺と酒井将軍の役割なわけか」
「ハイ、そのとおりです」
「それと中国に派兵されて長期間前線に出て、日本に帰還していない者が半数以上いますので、これらの者を一旦帰国させます。
徴兵で集められた者で他の仕事に就きたい者は一旦解雇し、改めて志願兵を募ります」
「フムフム、新進気鋭のやる気のある者を集めるわけか。
これなら凄い軍隊が出来そうだな」
「ハイ、中国からの帰還兵を一旦解雇し、志願兵を集めて関東軍と合わせると合計100万人になり、コレを半分にした軍団をル連攻略に向かいます」
「コレを半分にするのか?でも、半分にしても50万人の兵士か。凄い数だが俺に使いこなせるのかな?」
「大丈夫です。石原将軍はただ策略、戦略を練って指示すれば良いのです。
後は酒井将軍が部隊指揮しますが、国防軍の機甲師団が戦車部隊のノウハウを伝授、補佐しますので部隊運用は御心配なく。」
「それより、関東軍の残り半分である50万の兵力は何処に使うんだ?」
「その後、日本国内で編成し直して最大の敵に当たる予定です」
「ま、まさか本当にアメリアとやり合うのか?」
「そのまさかです」
「その司令官、俺が是非やりたい!そして鬼畜なアメリア人を相手にしたい」
「その前に石原将軍は悪魔なスターリンを叩き潰すのが先決事項です。
アメリア攻略は時間を掛けて攻めどころを研究しないと、中国以上の泥沼に足を突っ込みかねないので、今は慌てず騒がずというところですね」
「で、俺らはいつから満州に?」
「石原、酒井両将軍の準備が出来次第、直ちに願います」
「だそうです、石原司令官」
「うむ、分かった。酒井、辞令をもらっていないから司令官はまだ早いぞ」
「どの道、貴男が司令官で私が参謀ですから」
「両人の部下を連れて行っても構いませんが、不良分子はコチラで勝手に排除しますので、その点を考慮願います」
「分かった、どちらにせよ全てアンタらの手の内というところか。
どちらにせよ、数日中には満州に向かうから」
「それでは宜しくお願いします」
斉藤は、多弁な石原、寡黙な酒井と両極端な2人を組み合わせたことを若干不安に思っていたが、案外上手く行くのかも知れないと半ば期待していた。
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