第7話

 通行人らは冷ややかな視線で僕を見つめた。


 ただでさえラブリは派手で目立つのに、『童貞チェリーボーイ』だとか、『中💟し』だとか、よく通るアニメ声で騒いでいれば嫌でも注目を浴びてしまう。



「ううゥ……」

 僕は居たたまれない心境だ。



「こんな回りくどいやり方しなくても、わかったわ…… この子……

 ヒカル君の彼女なのねェ……」

 柳眉をひそめて、高城彩香は鋭い眼差しを僕に向けた。



「え……❓ いや、違う。ご、誤解だよ」

 全力で否定した。



「こんな可愛い彼女が居るンじゃない……」

「別に…… 違うッて、こ、この子は彼女じゃないよ……」

 信じて欲しい。



「パパは、ラブリちゃんの事を誰よりも可愛らしいッて、言ってくれるわ✨😌✨」

 ラブリは僕の気持ちも知らずニコニコして応えた。



「あのねぇ~、僕はロリコンじゃないから」

 確かに、可愛いことは認めるが、恋愛の対象ではない。



「わかったわよ……」

 彩香はふて腐れたような顔をして、視線を逸らせた。


「えェ……、わ、わかったッて……❓ 

 な、何が……」


「彼女が居るなら、私をデートなんか誘うことないでしょ❗❗」

 怒って立ち去ろうとした。


「いやいや、勘違いなんだってェ……❗❗

 待ってよ。あ、彩香さん❗❗」

 咄嗟に僕は彼女の二の腕を掴んだ。


「離して❗ そんなにが気に入ってるなら、とデートすればァ~❗❗

 バカにしないでよ❗❗」

 彩香は僕の手を振りほどき行ってしまった。



「あ、彩香さん……」取り残された僕は彼女を追いかける事も出来ず、ただ茫然と彩香の後ろ姿を見送った。


 

 これだけ疑われては当分の間、修復不可能だろう。


「あァ~あ……」

 ふらつく足取りで僕は駅前広場のベンチへ座り込んだ。


 せっかくの初デートだと言うのに、ラブリのお陰で、さんざんな結果に終わった。





 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ノ∠※。.:*:・'°☆

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