第4話:霊の散歩

「あれ?ウィッチ主任こんなトコでどしたんスか?」

グレイブタウンの郊外を、霊ゆえに足が無いので頭蓋骨の体についた悪魔の羽で飛んで探索をしていたドッくんが、全身白骨化した犬の散歩をしてるウィッチ主任に出くわす。

「生前は気分転換のために散歩したいなとか思ってたんだけど、

普段、勉強とか忙しくてできなかったから

せっかく余裕ある訳だしもう健康には関係ねえけど好きなだけ散歩しようかと。

管理の仕事してるっつってもそんないつもいつも仕事がある訳じゃねーし」

「この骨のワンちゃんは?」

「あ、これ、俺が生前に飼ってた犬。

俺、この犬が生前病気だった時、金が無くて

あんまり治療受けさせてやれなくて

まぁ痛みを取るくらいの治療はしたんだけど、

辛さと俺との暮らしの未練からかここに来ちゃってて

それでその後、俺も死んでここで再会したんだよね」

「へー。運命ッスね(笑)

名前なんて言うんスか?」

「生前はジルって名前だったんだけど、

死んだから戒名的な意味で"ボチ"にした」

「戒名w ボチ?」

「犬の名前のポチと墓地と掛けてw」

「あーw」

「でも元々のジルって女の名前じゃねえッスか?

なのにボチって…w」

「死んだらもう男も女も関係ねえよー!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る