第4話 爆発とダンジョン準備
西洋風の街の中央部、広場の中で光が現れる。その光がちいさい人の形をとると、そこに現れたのはセシルだった。
「さて、カナがくるまでにやっておこっかな」
そういいながら広場の中央部にあるボードへ向かう。パーティー募集などの表示が出ていて、掲示板のようだ。セシルは現れた画面に内容を書いて投稿ボタンを押す。すぐに、ボードに反映された。
「あとは反応があるか、かなぁ」
セシルは、募集のときはこんなことを書くだろう、と考えながらつくった表示を見ながらため息をつく。しばらく眺めていると、カナもログインしてきたようだ。
「あっセシル! どうしたの?」
そう言いながらカナもボードを見る。しばらくしてセシルの投稿を見つける。
パーティー仲間募集!
どんな人でもいいです。一緒に楽しみましょう!
「……、間違ってはないけど、なんというかもっとこう……」
「い、いいから早く行こ!」
不満そうな顔をしているカナを押して、セシルはフィールドへと向かった。いつもと進む方向が違うのに、カナが気づいた。
「あれ? 方向間違ってない? あっちに行くんじゃないの」
「D とか C ランクが多いところじゃなくて、今日はもう少し強いモンスターが出るところに行くの。ダンジョンに行くなら、強いモンスターと戦ったほうがなにかと得策よ」
ダンジョンは、低難易度のものでも C ~ B ランクのものが出る。強いモンスターと戦うことは、レベル上げの他にも、パーティーでの協力や戦法などさまざまなことが学べるのだ。来週ダンジョンに挑戦するためには、もっと強くならなければいけない。
街から1キロほど進むと大きい犬のような、Cランクのモンスターが見えてきた。まだこちらには気づいていないようだ。
カナはグレネードを1個とると、投げる。モンスターの横で爆発が起こった。腰からもう1つグレネードをとるため手を伸ばす。その手は何もつかまなかった。
「あぁ! もうグレネードがない!」
昨日 B ランクモンスターを倒すためにほとんどを消費してしまった。カナの武器はなくなった。
武器がなくなって困っているカナを背中に、セシルはモンスターへと向かっていた。肩にアサルトライフルをのせ、フルオートで連射する。爆音が響き、落ちたから薬莢は光へと変わる。弾は直進していき、ほぼ全てモンスターへと吸い込まれていく。
犬が遠吠えし、倒れると思ったその時だった。口の中から深紅の光があふれた。セシルとかなは直ぐに理解した、これから火炎放射の攻撃がくると。カナはあたらない距離だが、近寄っていたセシルには危ない距離だ。
セシルは炎に包まれた。耐えられないほどではないが、熱湯のように熱い。ヒットポイントが大きく減り、半分をこえて赤になったところで止まった。しかし、目の前にはケルベロスに近い格好のモンスターがいる。アサルトライフルと拳銃はどこかへ飛んでいったのか、手元にない。
もうだめだ。そう思い攻撃されるを待つ。
しかし、そうはならなかった。モンスターの両目をなにかが貫き、吠えながらモンスターは倒れ光の泡になった。
「セシルー! 大丈夫?」
「カナ! 助けてくれてありがとう」
どうやら目を貫いたのはカナらしく、その経緯をカナが説明する。セシルの拳銃が近くに落ちたので、拾って投げたと。ほぼ必中距離なのになぜ打たなかったのかを聞くのは、親友なのでやめておくらしい。
その直後、何かがセシルとカナの前に立った。そこにあったのは、こちらに向いている銃口と、1人の人間だった。
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